当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現には潜在的リスクや不確実性を含んでおり、さらに業績に影響を与える要因はこれに限定されるものではありません。したがって、諸要因の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、 売上高28,753百万円(前期比117.5%増)、営業利益8,205百万円(前連結会計年度は営業損失2,888百万円)、経常利益8,173百万円(前連結会計年度は経常損失2,893百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益6,913百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,974百万円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の売上高は7百万円増加し、営業利益、経常利益はそれぞれ58百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は49百万円増加しております。
セグメント業績の概要は、以下のとおりであります。
なお、各セグメントの売上高の金額は、セグメント間の内部売上高を含めない数値を記載しております。当社グループの報告セグメントは、業績評価、事業戦略の構築、経営資源の配分等を行ううえで重要性の高い区分を基に決定しており、「エネルギー事業」、「自動車事業」、「レジリエンス事業」、「金融関連事業」及び「その他事業」の5つで構成されております。なお、前連結会計年度において決定された方針に基づき、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。
(エネルギー事業)
エネルギー事業においては、2020年12月中旬から2021年1月下旬にかけて発生した一般社団法人日本卸電力取引所(以下「JEPX」という)における電力取引価格の高騰以降、需要家へ安定的に電力供給を行うため、相対取引や電力先物取引の活用など電源調達の多様化を進めてまいりました。また、今後最大需給量を基に容量拠出金が決定されることを踏まえて、容量市場対応方針を定め営業活動を推進し、契約期間が満了した需要家の一部についても、同方針の下、契約を延長しなかったことで総契約容量が減少していたところに、ロシアのウクライナ侵攻などに端を発する世界的な燃料価格の上昇に伴う電力取引価格の高騰がありましたが、冬場はJEPXでの電力取引価格が上昇する傾向があることを踏まえ、供給予定の電力量に対応する電力調達は前もって固定価格化していたため、調達面ではJEPXにおける今冬の電力取引価格高騰の影響をほとんど受けることなく、さらに、2022年4月以降供給するための電力の調達コストを固定化するべく契約していた電力先物取引証拠金の実現損益及び評価損益もあったことから、利益が大きく伸長しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は12,672百万円(前期比83.9%増)、セグメント利益(営業利益)1,664百万円(前連結会計年度は営業損失2,150百万円)となりました。
なお、収益認識基準の適用により売上高は58百万円増加し、営業利益は58百万円増加しております。
(自動車事業)
自動車事業においては、中古車販売事業者との中古車売買、及び中古車売買に関するコンサルティング等を行っております。中古車売買事業は、業者間売買であることもあり粗利率は低いものの、仕入から販売までの決済回収期間が短いため、資本回転率の高いビジネスを実現しております。当連結会計年度においては、前連結会計年度と比して、販売台数が増加したこともあり、増収増益となりました。また、取引の実態を踏まえて、一部の販売取引につき、売上計上時期又は売上計上額の変更を行っております。
以上の結果、当セグメントの売上高は4,542百万円(前期比15.1%増)、セグメント利益(営業利益)19百万円(前期比1.1%増)となりました。
なお、収益認識基準の適用により売上高は51百万円減少しております。
(レジリエンス事業)
レジリエンス事業は、省エネコンサルティング事業及び感染症対策関連事業から構成されています。当連結会計年度においては、前連結会計年度から取り扱っている感染症対策関連商材の拡販に努めるとともに、MA-T System関連商品(「すごい水」シリーズ)の本格的販売に着手しました。また、これまで蓄積したノウハウをもとに各種補助金等の活用支援に関するコンサルティングを行いました。しかしながら、MA-T System関連商品の知名度が高まらないこともあり売上が当初予定していたよりも伸びず、また、第2四半期より本格的に販売を開始する予定だった家庭用蓄電池システム(remixbattery)も世界的な半導体不足の影響から生産が滞り、販売活動が低調だったこともあり、当連結会計年度は前年同期と比して減収減益になりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は700百万円(前期比16.0%減)、セグメント損失(営業損失)228百万円(前連結会計年度は営業利益110百万円)となりました。
なお、収益認識基準の適用による影響はありません。
(金融関連事業)
BPJは、暗号資産交換業者として暗号資産交換所の運営を行っており、これまで暗号資産現物取引、暗号資産デリバティブ取引(レバレッジ取引)、暗号資産レンディング等のサービスを提供しておりましたが、2019年改正金融商品取引法により証拠金の上限倍率(レバレッジ倍率)が4倍から2倍に引き下げられたことなどを背景に、暗号資産デリバティブ取引市場が縮小し、BPJにおいても暗号資産デリバティブ取引(レバレッジ取引)サービスによる収益獲得は減少傾向にありました。これを踏まえ、2021年12月29日付で金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業を廃業し、暗号資産デリバティブ取引(レバレッジ取引)サービスの提供を終了いたしました。当連結会計年度においては、複数の暗号資産の取扱いを開始したことで手数料収入・トレーディング収益が増加しました。一方で、売上を伸長させたものの、販管費を低い水準にコントロールできたことで、前連結会計年度と比して収益性が改善いたしました。また、当連結会計年度より営業取引として金融関連事業に含めている暗号資産関連事業に関する投資についても、出資先からの配当や出資先である投資事業組合の損益取込により、利益452百万円を計上することができました。
以上の結果、当セグメントの売上高は10,767百万円(前期比739.0%増)、セグメント利益(営業利益)7,612百万円(前連結会計年度は営業損失260百万円)となりました。
なお、収益認識基準の適用による影響はありません。
(その他事業)
その他事業は、マーケティングコンサルティング事業のほか、新規に立ち上げた事業などを含んでおります。なお、比較する前年同期には当時の旅行関連事業に係る数値が含まれております。
以上の結果、当セグメントの売上高は70百万円(前期比73.2%減)、セグメント利益(営業利益)13百万円(前期比77.6%減)となりました。
なお、収益認識基準の適用による影響はありません。
仕入および販売の実績は以下のとおりであります。
(1)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 財政状態
<連結貸借対照表の要約>
(単位:百万円)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、71,147百万円となり、前連結会計年度末(46,043百万円)に比べ、25,103百万円増加となりました。主な要因は、利用者暗号資産13,372百万円、預託金2,819百万円、現金及び預金2,000百万円、自己保有暗号資産1,793百万円の増加等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,821百万円となり、前連結会計年度末(1,513百万円)に比べ、308百万円増加となりました。主な要因は、繰延税金資産299百万円、敷金及び保証金224百万円、ソフトウェア46百万円の増加、投資有価証券88百万円、ソフトウェア仮勘定59百万円の減少等によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、58,853百万円となり、前連結会計年度末(43,233百万円)に比べ、15,619百万円増加となりました。主な要因は、預り暗号資産13,372百万円、預り金2,824百万円、未払法人税等1,574百万円の増加、買掛金2,403百万円の減少等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、14,114百万円となり、前連結会計年度末(4,322百万円)に比べ、9,792百万円増加となりました。主な要因は、資本金1,371百万円、資本剰余金1,371百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金6,913百万円の増加等によるものです。
(財務比率)
当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ14.4ポイント上昇し、120.9%となりました。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ10.3ポイント上昇し、19.3%となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が減少したことが主な要因であります。
(3) キャッシュ・フロー
<連結キャッシュ・フロー計算書の要約>
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は4,896百万円となり、前連結会計年度末(2,889百万円)に比べ、2,006百万円増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は429百万円(前期は3,075百万円の支出)となりました。これは主に利用者暗号資産の増加13,372百万円、預託金の増加2,819百万円、仕入債務の減少2,403百万円、預り暗号資産の増加13,372百万円、税金等調整前当期純利益8,172百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は259百万円(前期は203百万円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出215百万円、敷金の差入による支出112百万円、有形固定資産の取得による支出79百万円、敷金の回収による収入167百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2,715百万円(前期は3,397百万円の収入)となりました。これは主に新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入2,695百万円、新株予約権の発行による収入19百万円などによるものであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性の分析
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性の分析につきましては、上記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積り及び仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産の金額及び開示期間の費用の金額に影響を与えます。
(ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定)
連結貸借対照表の無形固定資産として計上されているソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の大部分は、金融関連事業に属する子会社である株式会社ビットポイント・ホールディングスが保有しております。この資産については、暗号資産交換業を営んでいるBPJが使用しており、評価にあたっては同社の収益獲得能力に依存しております。
減損テストを実施する際には、同社の過去の経験や社内の予算に基づいて割引前の将来キャッシュ・フローを見積もっております。これらの見積りは、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。
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