研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループは、「研究開発は企業価値向上の原動力」と位置づけ、新製品・新技術の研究開発に注力しております。特に、将来の成長が期待されている高機能性材料及びそれらの先端応用技術について、大学等の研究機関とも連携・共同して研究開発を進めております。

 当社グループの研究開発要員は70名で、グループ総従業員数の約10%にあたります。研究開発要員のうち29名は製造技術支援要員で、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、品質向上やコストの低減などを進めております。

 当連結会計年度における研究開発活動の主なものは、以下のとおりであります。

 

(1) アグリ

 新製品としてクエン酸、キレート鉄、硫黄など豊富な有効成分を配合した無機液肥を開発し、販売を開始しました。また未利用資源の有効利用策として、産業副産物の肥料原料化の検討を行いました。

 

(2) 化学品

① 水処理薬剤

 サステナビリティに適合する水処理薬剤の適用拡大・新製品開発を進めています。超高塩基度ポリ塩化アルミニウムの増販に向けては、生産能力増強に関する課題を解決し、増産体制を整えました。新製品の開発に関しては、浄水用膜ろ過システムやローカルな原水水質にも適合する高性能水処理薬剤の開発を進め、試験製造段階にいたりました。

 

② 機能性材料

 メディカル材料分野では、既存製品に関しては、品質を維持しつつ改良を行った結果、環境にやさしい製法変換に目途がつきました。新たな医療領域への適用検討については、ユーザーに加え大学との共同開発にも進展が見られました。

 ナノ材料では、自動車排ガス触媒向け酸化物ゾルの販売拡大が見込まれる中、原料調達の観点も踏まえた増産の検討を行いました。

 高純度酸化タンタル・酸化ニオブ、微粉末ケイ酸、塩基性アルミニウム塩等では、製造効率化の検討や新たな用途拡大に向けた商品開発を行いました。

 

(3) その他の研究開発活動

 生活の質を高めるライフサイエンス領域の研究開発を進めております。

 魚うろこ由来3重らせんコラーゲン材料に関しては、多方面での応用を目指した研究を進める中、自社独自開発の技術により、高強度コラーゲン繊維の製造条件を見出し、ユーザーから高評価を得ています。生活用資材に関しては、含有微生物による揮発性抗菌物質の特定に成功し、防カビ・消臭メカニズムに関するエビデンスを得ることができました。

 バカマツタケの完全人工栽培につきましては、プロジェクトチームにおいて事業化に向けた技術開発を進めています。令和4年1月24日に公表いたしましたとおり、令和3年5月に増設した研究栽培設備にて量産スケールでの生産安定性、生産コストなど課題解決のための検討を行った結果、商業生産を可能とする栽培方法を概ね確立しました。今後、当該方法にて栽培試験を重ね、安定的な生産条件を決定し、令和4年度内の試験販売と商業生産設備の着工を目指して取り組んでまいります。

 

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、以下のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

アグリ

22

化学品

248

その他の研究開発費

189

合計

461

   (注)上記には、製造技術支援にかかる費用は含まれておりません。

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