課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「会社の永遠の発展を追求し、地球環境との調和を図りながら適正な利益を確保することにより、株主、ユーザー、従業員と共に繁栄する企業を目指して持続可能な社会づくりに貢献する。」を経営の理念としております。これを実現するために、当社独自の技術と心のこもったサービスでユーザーの期待に応え、誠意・創造性・迅速な対応・自然との調和をモットーに、信頼される企業を築き上げるべく全社をあげて事業の発展に取り組んでまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、2022年度より、新中期経営計画をスタートさせております。本計画においては、精密化学品事業の拡大推進と競争力を育成するとともに、新事業創出による成長基盤の強化を目標としております。2024年度の連結売上高1,000億円達成を目標とし、「精密化学品事業の拡大推進」、「生産技術力の底上げ」、「人材育成充実」、「社会的価値向上」を図ってまいります。

 また、「安全第一主義」、「稼ぐ関東電化の実現」、「全員開発」を企業活動の基本課題とし、2030年のありたい姿を見据え、安定した経営基盤のもと、安全で働きがいを実感できる環境を提供し、独自性・優位性のある製品で世界最先端の技術を支え、サステナブルな社会に貢献する「創造的開発型企業」を目指してまいります。

 

① 基本戦略
本中期経営計画の3ヵ年を「持続的成長と競争力育成期間」と位置づけ、当社グループの主力事業である精密化学品事業の更なる飛躍に向けた事業ポートフォリオ改革の実現に努めてまいります。
また、2050年カーボンニュートラルに向けた投資計画を立案し、低炭素・循環型社会に向けた取り組みを強化し、環境配慮型製品の開発、販売に注力してまいります。

 

② 重点戦略
ア 精密化学品事業の拡大推進

a.市場成長に対応する能力増強(半導体・液晶向け特殊ガス、電池材料)

b.顧客が求める(高性能、低GWP※)半導体ガス製品の市場投入

c.海外拠点との有機的連携

d.半導体ガス製品、電池材料製品の開発力強化

e.原料から最終製品までのグループ内一貫生産体制構築

※GWP:Global Warning Potential(地球温暖化係数)の頭文字。二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字。

イ 生産技術力の底上げ

a.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による生産性向上

b.品質保証能力の向上

ウ 人材育成充実

a.人材開発、戦略的教育プログラムの導入

b.社員のwell-being追及(働きがいを実感)

c.ジェンダー、多様性の推進

エ 社会的価値向上

a.サステナビリティに対する活動推進

b.エネルギー多消費型製品事業の縮小と脱炭素への取組強化

c.リサイクルの推進

 

 

③ 前記の重点戦略を達成するための個別戦略
ア 精密化学品事業

半導体・液晶向け特殊ガスにおいては、デジタル社会の進展を受けて長期的な成長が期待できる最先端エッチング・低GWP値ガスへの要望に応え、投資・開発を加速させていきます。

また、技術をリードすることにより成長を継続させ、需要の広がりとともに製造拠点の分散化・BCP対策を進め、顧客のニーズに応えていきます。

電池材料においては、EV需要の急増を受け供給数量の大幅な拡大を要請されています。今後、増産投資を継続していくとともに生産性の高い最先端の技術を開発し、より一層のコストダウンを進め顧客需要に応えていきます。

また、開発を進めている使用済みリチウムイオン2次電池からリチウムを再資源化する技術を世界規模で実現し、脱炭素・循環型社会に貢献していきます。

イ 基礎化学品事業

基礎化学品事業は、当社の基盤事業として原料供給機能の強化とキャッシュ・フローの最大化を図っていきます。

ウ 鉄系事業

鉄系事業は、成長率の高い地域と製品に経営資源を集中させていきます。

また、グローバル展開を加速させ、再び成長軌道に乗せる事業展開を図っていきます。

エ 研究開発

研究開発部門は、新規製品の継続的な投入を果たし、「2024年度開発品売上高:50億円」を目指し取り組んでいきます。

開発重点テーマ

a.新事業開発分野<先端技術を支える材料>

・新電池材料、半導体材料、フッ化物、塩化物

・医療用材料

・通信用材料としての低誘電率材料

b.生産技術の開発<既存事業・新事業を支える技術>

・リサイクル(リチウム、リン、フッ素、タングステン他)

・環境改善技術(電解技術活用による省エネ、サステナビリティ)

・マテリアルズ・インフォマティクス(MI)計算ソフトによる開発支援

・既存事業の周辺技術、フッ素系ガスの原料製造、新製造技術

 

④ 財務戦略

内部留保資金は、自己資本比率50%を目途に財務の健全性を確保しつつ、経営基盤の強化や成長分野への投資に優先して使用します。配当につきましては、配当性向20%を目安に適正な配当を継続して実施し、資本コストを意識した経営に努めます。

 

⑤ カーボンニュートラルに向けた取組み
ア 2030年に向けたビジョン

精密化学品の拡大を一層進めることにより成長を加速するとともに、温室効果ガス排出の削減と脱炭素に向けた技術開発を進め、サステナブルな社会に貢献する「創造的開発型企業」へ成長する。

イ 主な取組み方針

a.精密化学品事業の成長を果たしながら、CO2排出原単位を改善

b.再生可能エネルギーの投入

c.プロダクトミックスによるCO2排出削減

d.環境配慮型製品の開発推進

ウ CO2排出量削減目標(2030年度)

2013年度比30%削減を目標とする。(Scope1、Scope2対象)

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