当社はジルコニウム化合物の精製技術、酸化ジルコニウムの凝集制御をコア技術に、さらに他元素との複合化技術を加え、触媒、燃料電池、二次電池、電子部品、ファインセラミックスなどの多岐用途に対して新たな機能を加えることにより、ジルコニウムの用途拡大に取り組んでまいりました。
今後もますます多様化、高度化する顧客ニーズに応えたジルコニウム製品を開発し、ジルコニウムのさらなる用途拡大に向け、継続的に行動していくことを基本方針としております。顧客窓口である営業部との連携により、著しく変化する外部環境を考慮し、顧客要求を満たす製品を開発・提案していくため、下記のように様々な用途において研究開発分野を設定しております。
将来的には、自動車動力の電動化シフトへの流れは想定されるものの、当面は従来の内燃機関の活用が主流であると考えております。先進国に加え、新興国においても強化される排ガス法規制に対応するため、助触媒機能としてより高機能な触媒材料を開発する。
ガラス・塗料・抗菌剤などに用いられている有害物質に代わり、無害かつ同等以上の機能を発現する材料を開発する。
実用化段階を早めるために技術課題を満足させた電解質・電極材料を開発し、提案する。
カーボンニュートラルに向けた二酸化炭素の貯蔵・利用・排出削減のための実用化技術、及び再生可能エネルギーの利用拡大のために必要となる革新技術に対し、有効な新規製品を開発し、積極的に提案していく。
発電用ガスタービンや航空機等のエネルギー効率を向上させるなど、耐熱性を有するジルコニウム材を開発する。
自動車用熱交換器用途や家庭用エアコン用途などのアルミ溶接用途において、顧客生産過程における省エネルギー化や簡便化に貢献するセシウムフラックス及びフラックス内包ろう材を開発する。
リチウムイオン電池、コンデンサーなどの電子部品の軽薄短小化、高機能化や耐久性向上に対応したジルコニアナノ粒子材料を開発する。
強度・靭性、審美性だけでなく、新たな機能付加された構造材用のジルコニア系材料を開発する。
当社コア技術と応用研究の強化をもとに、新規用途開発ならびにそれらに対応する材料開発を推進する。
当社の研究開発活動は、中長期的な視野でのジルコニウム化合物の新機能の発掘及び新規用途開拓、並びに新規材料の調査・研究を研究開発室が担当し、既存用途での材料開発及び既存材料での用途開発は技術部が担当しています。技術部が開発した開発品は、生産技術部が量産プロセスを設計し、各事業所に新製品として移管します。生産技術部は島根県、福井県の国内拠点に加え、ベトナム、中華人民共和国の当社グループの海外生産拠点のプラント設計及び設備導入も担当します。顧客要求を満たす品質設計、環境負荷を低減した工程設計を組み合わせ、世に価値ある新製品を開発しています。一方、知的財産権に関する業務については知財管理室が担当します。2022年3月期実績としては、国内出願9件(海外出願を含めると51件)、商標出願1件を実施いたしました。今後も部門機能ごとに専門性を高め連携しながら、効率よく開発活動を実施いたします。また大学・研究機関を対象に、ジルコニウム及びハフニウム並びにセシウム化合物を利用した独創的な研究、創意、工夫に対して研究助成金制度を実施しています。ジルコニウム及びハフニウム並びにセシウム化合物の素材を利用した研究活動への支援を通して、これら材料の新たな可能性が拡大されることを期待しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
お知らせ