業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度(以下、「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)(百万円)

1株当たり

当期純利益又は

1株当たり

当期純損失(△)(円)

当期

35,332

2,519

4,184

3,116

540.59

前期

29,024

11

△600

△4,142

△718.76

 

 当期の業績は、売上高は35,332百万円、営業利益は2,519百万円(前期は営業利益11百万円)、経常利益は4,184百万円(前期は経常損失600百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,116百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4,142百万円)となりました。

 

(注)1 当社グループでは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当期の期首から適用しております。これに伴い、一部の取引について、従来は顧客から受け取る対価の総額を収益と認識しておりましたが、純額で収益を認識する方法に変更しております。その結果、当期における売上高については、従来の計上方法(対価の総額)と比較して、4,643百万円減少しております。

   2 当期において、江門協立磁業高科技有限公司を持分取得により子会社化したことから、連結の範囲に含めております。なお、江門協立磁業高科技有限公司の決算日は12月31日であり、連結決算日と3ヶ月異なっております。みなし取得日を2021年7月1日としているため、当期の連結損益計算書には2021年7月1日から2021年12月31日までの業績が含まれております。

 

セグメント別の状況は、次のとおりであります。

 

売上高

セグメント利益

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減率(%)

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減率(%)

機能性顔料

12,332

13,568

1,257

2,124

68.9

電子素材

17,129

22,226

1,505

3,285

118.2

消去又は全社

△438

△461

△2,751

△2,890

合計

29,024

35,332

11

2,519

 

(機能性顔料)
 売上高は全般的に前期と比べて好調に推移いたしました。特に、前期においては外出禁止令や企業の操業停止等による経済・社会活動の抑制が行われた影響により落ち込んでいた複写機・プリンター向けの材料が、当期は大幅に回復いたしました。また、塗料向けや触媒向けの材料等も需要の回復により好調に推移いたしました。以上のことから、売上高は13,568百万円、セグメント利益は前期比68.9%増の2,124百万円となりました。

 

 

(電子素材)
 自動車市場におけるCASEの進展や情報通信市場におけるICTの普及拡大により、磁石材料及び誘電体材料(チタン酸バリウム)を中心に、前期と比べて売上が伸長いたしました。磁石材料は主に自動車や家電用のモーター用途としてこれまでも利用されておりますが、特に自動車の電動化等に伴い需要が増加しております。また、江門協立磁業高科技有限公司を持分取得により子会社化したことも増収増益に寄与いたしました。誘電体材料においても、ICT機器や電気自動車に多く使われる積層セラミックコンデンサー用途として旺盛な需要がありました。以上のことから、売上高は22,226百万円、セグメント利益は、前期比118.2%増の3,285百万円となりました。

 

(注) 当社グループでは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当期の期首から適用しております。これに伴い、一部の取引について、従来は顧客から受け取る対価の総額を収益と認識しておりましたが、純額で収益を認識する方法に変更しております。その結果、当期における売上高について、従来の計上方法(対価の総額)と比較して、機能性顔料は1,702百万円、電子素材は2,941百万円減少しております。よって、売上高については前年同期比(%)を記載しておりません。

 

②財政状態の状況

 

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減

(百万円)

資産合計

41,783

51,292

9,509

負債合計

32,408

37,333

4,925

純資産合計

9,375

13,958

4,583

 

 当社グループの当期末における資産は、現金及び預金が1,333百万円、受取手形及び売掛金が2,344百万円、商品及び製品が1,061百万円、原材料及び貯蔵品が877百万円、のれんが1,992百万円、関係会社出資金が1,702百万円増加したこと等から、前期末に比べ9,509百万円増加いたしました。

 負債は、支払手形及び買掛金が1,719百万円、借入金が1,463百万円、長期未払金が940百万円増加したこと等から、前期末に比べ4,925百万円増加いたしました。

 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益3,116百万円、為替換算調整勘定の増加1,039百万円等から、前期末に比べ4,583百万円増加いたしました。

 以上の結果、1株当たりの純資産は前期比744.22円増加して2,155.82円となり、自己資本比率は前期比4.7ポイント増加して24.2%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

612

903

291

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,219

△1,138

81

財務活動によるキャッシュ・フロー

1,416

913

△503

現金及び現金同等物期末残高

6,492

7,527

1,034

 

 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は7,527百万円となり、前期末より1,034百万円増加いたしました。

 当期末における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは903百万円(前期は612百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,031百万円、減価償却費687百万円、仕入債務の増減額881百万円等による資金の増加が、持分法による投資損益1,520百万円、売上債権の増減額1,285百万円、棚卸資産の増減額1,837百万円等による資金の減少を上回ったこと等によります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは△1,138百万円(前期は△1,219百万円)となりました。これは主に、関係会社出資金の払込による支出1,893百万円、有形固定資産の取得による支出719百万円等による資金の減少が、投資有価証券の売却による収入859百万円、敷金及び保証金の回収による収入753百万円等による資金の増加を上回ったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは913百万円(前期は1,416百万円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入6,333百万円等による資金の増加が、短期借入金の純増減額889百万円、長期借入金等の返済による支出4,145百万円、利息の支払額206百万円等による資金の減少を上回ったこと等によります。

 

④生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

機能性顔料

11,176

5.6

電子素材

18,750

42.8

合計

29,927

26.2

 (注)1 金額は、平均販売価格によっております。

2 当連結会計年度において、電子素材セグメントの生産実績に著しい変動がありました。これは、当連結会計年度において江門協立磁業高科技有限公司を連結子会社化したこと等によるものであります。

 

(2)受注実績

 当社グループの主要製品については主に見込み生産を行っております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

機能性顔料

13,562

10.2

電子素材

21,770

30.3

合計

35,332

21.7

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

BASF Toda America LLC

3,034

10.5

6,013

17.02

3 当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、①経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の分析

 当期における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症に対して世界的なワクチン接種の進展等により行動制限が緩和され、景気に持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株の出現による感染再拡大により、先行きは依然として不透明な状態が続いております。

 また、ウクライナ情勢により、さらなる原材料及びエネルギー価格の高騰等、世界的に経済活動の停滞が懸念される状況にあります。

 当社グループにおきましては、こうした状況のもと、当期は世界経済の回復を背景に国内・海外ともに需要が回復し、売上が好調に推移いたしました。

 利益面においては、原材料及びエネルギー価格やコンテナ不足による海上輸送費の高騰の影響を受けているものの、売上高の増加及び利益率の高い製品の売上伸長に伴い、限界利益が増加いたしました。加えて、前期はコロナ禍により当社製品の需要が低迷したため全社的な生産調整を余儀なくされましたが、当期においては、安定稼働により生産性が向上いたしました。

 以上のことから、売上高は35,332百万円、営業利益は2,519百万円(前期は営業利益11百万円)となりました。

 営業外収支においては、持分法適用関連会社の収益が好調に推移しており、持分法による投資利益1,520百万円を計上したこと及び為替が円安に振れたことにより、為替差益151百万円を計上したこと等から、経常利益は4,184百万円(前期は経常損失600百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,116百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4,142百万円)となりました。

 なお、セグメント別の経営成績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

(b)財政状態の分析

 当期の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当期におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当期における金融機関からの借入状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、関係会社への投融資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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