研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、当社が主として行っております。

 当社の研究開発活動は、開発競争のグローバル化の中で、開発スピードを高めるために、社外の関連研究施設や大学との連携に努めながら、創造本部を中心に、顧客ニーズに即応する商品開発と次世代商品の開発を行っております。

 セグメント別の研究開発活動の概況は次のとおりであります。

 

(1)機能性顔料

① 電子印刷材料

 デジタル複写機・レーザープリンター等のトナー用材料の磁性酸化鉄を開発し商品化しております。

 電子印刷用キャリアでは、当社独自の磁性粉造粒技術を用いた磁性粉分散型樹脂キャリアの改良を進め、顧客ニーズを先取りした開発及び商品化を行っております。

 

② 着色材料

 各種重金属の含有量の少ない次世代化粧品用材料の開発に取り組んでおります。また、紫外線吸収といった新たな機能が期待できる透明酸化鉄顔料や高彩度で着色力が高い易分散顔料の開発を行っております。

 

③ 環境関連材料

 農業用ポリオレフィン保温材、カラス対策ごみ袋用コンパウンド、有害イオン吸着剤、鉄を主成分とする回収効率の良いCO2固体回収材の開発等を行っております。また、メタンガス等からCO2を排出することなく水素とカーボンナノチューブを製造する直接メタン改質法を開発し、実用化に向け推進しております。表面積が非常に大きい非晶質アルミノケイ酸塩については、水分等の高い吸脱着特性を活かしてスーパードライエアー製造用水分吸着剤、自動車用防曇材に展開中であり、さらに抗ウィルス性機能を持たせた開発品の商品化にも取り組んでおります。

 

④ 添加剤、および触媒材料

 環境保全・クリーンエネルギー分野においても市場ニーズに添った開発を推進しており、高機能無機添加剤や酸化鉄触媒材料の開発に取り組んでおります。酸化鉄触媒材料では、酸化鉄の酸化触媒機能を活かして環境浄化触媒の開発・実用化に取り組んでおります。また、ニッケルを用いた水素製造触媒の開発・実用化を行っております。

 

⑤ 磁気記録材料

 高密度化デジタルテープへの社会的ニーズに対応して、磁気記録テープのより一層の高密度化に必要な磁気記録テープ下層用超微粒子材料の開発を行い、市場展開を進めております。

 

(2)電子素材

① 磁石材料

 ハードフェライト材料、希土類磁石材料とそれらの加工材料を開発し実用化しております。

 希土類磁石材料においては、世界最高レベルの磁気特性を持つ射出成形用異方性ネオジウムコンパウンドの製造販売をしております。自動車産業への展開を見据え、このネオジウムコンパウンドの更なる耐熱性、耐食性の向上を目指しております。

 

② 軟磁性材料

 CASEやMaaSといった技術革新が進む自動車産業や次世代通信システム(5G)に向けて、高性能インダクタ用の材料や、半導体パッケージに内蔵する薄型インダクタ用部材、kHz~GHz帯に対応した電磁ノイズ抑制材料、ワイヤレス給電用部材の開発に取り組んでおります。

 

③ 誘電体材料

 高度情報化社会に対応して小型高容量のセラミックコンデンサー(MLCC)用誘電体材料の開発等を行っております。分散性の良い超微粒子のチタン酸バリウムは、小型高信頼性、高容量化の市場ニーズにマッチした最先端材料で拡販、上市しております。さらに、湿式合成の強みを生かして、チタン酸バリウムを各種溶媒中に一次粒子径に近い状態で高濃度分散を可能にいたしました。顧客ニーズに応じて設計が可能で、高い屈折率や誘電率を活かした光学フィルムやコンデンサなどの用途で展開を進めております。

 

④ 電池材料

 導電材として、カーボンナノチューブ(CNT)の開発および、パイロットプラントを活用した市場展開によるCNTの事業化の検討を進めております。また、高容量負極材料として、シリカ系負極材料との複合による新規材料の研究開発を行っており、興味ある有望な材料として数社からのお引き合いを頂いております。これらの材料は、安全化、高寿命化の材料として市場から期待されております。

 

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、1,258百万円であります。

 また、当連結会計年度における当社が所有する特許の件数は、国内415件、海外490件、出願もしくは審査中の件数は海外を含めると146件となっております。

 

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