当社は、「人生もロマン、経営もロマン、無限の可能性に挑戦」を経営哲学として代表取締役である石井滋久が
設立いたしました。代表取締役石井滋久は、「歯科医院の先生方の夢を叶えるお手伝いをしたい」との思いから、
歯科医院向けシステムの研究開発・営業・サポートに取り組み、現在は「歯科電子カルテ統合システム Hi Dental
Spirit XR-10i(以下、統合システム)」を主力商品としております。
当社の歯科電子カルテ統合システムには、(1)生体認証とデータベースソフトとを活用した電子保存の3基準
(注)1 への適合、(2)iPad (注)2 を活用した種々のアプリケーションでの運用、(3)マスター化した病名や処置、
薬品など20万件を超える膨大な情報と180万ステップ (注)3 超のプログラムを合わせた高性能なシステムです。
そして電子カルテ機能 (注)4 とレセプト機能 (注)5 、iPadを活用したインフォームドコンセント機能 (注)6 、
歯科医院の運営管理の効率化を推進する機能 (注)7 を一元管理した歯科電子カルテ統合システムにクラウドを活用
したオンライン診療システム(スマホ予約、スマホ問診、スマホ診療、スマホ決済)を結合することで創り出され
た当社独自の世界観「It's Hi Dental World 歯科医療に夢と未来を…」を展開しております。
当社は、このシステムを充分に活用していただくため、「サポートなくして販売なし」「お客さまの笑顔・お客
さまの満足が私たちの喜び」「顔が見え、心が触れ合う」を事業理念に、システム使用にあたり顧客の負担を軽減
する「ソフトウェア三無主義」 (注)8 を掲げ、地域密着型のサポートを顧客に提供することにより事業を展開して
まいりました。
このように、歯科医院向けシステムの研究開発からシステムサポートまでワンストップ(製販一貫)で提供して
まいりました結果、2022年9月30日現在、営業拠点は西日本を中心に本社を含め23か所に配置し、全国で3,118件の
歯科医院を顧客としております。
なお、当社の事業は「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメント であります。
(注)1.「電子保存の3基準」とは、一般的に「電子カルテの3原則」(JAHIS「電子保存ガイドライン/MDSセミナー」2018年11月9日)
とも呼ばれており、内容は下記となります。
(出典:厚生労働省ホームページ「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5.1版(令和3年1月))
2.iPadはApple.incの商標です。
3.ステップとは、プログラム(ソースコード)を記述した行数のことで、プログラムの規模を測定する指標の一つです。
4.電子カルテ機能とは、患者に対する診療の経過・治療等を記録するカルテを電子的に作成し、又は作成を補助する機能です。
5.レセプト機能とは、カルテに記録された保険診療内容を保険者(市町村や健康保険組合)に請求する診療報酬明細書(レセプ
ト)を作成する機能です。
6.インフォームドコンセント機能とは、医師が患者に診療の目的や内容を十分に説明し患者の同意を得る為に、わかりやすく伝え
る為の説明補助機能であり、例えば、視診・歯周検査の補助ツール、レントゲン・口腔内写真の表示ツール、自費診療の提案や
見積書作成ツール等があげられます。
7.運営管理の効率化を推進する機能とは、受付、問診、会計、予約等の受付業務を省力化・補助する機能、予約患者・売上分析や
各種帳票の作成等の歯科医院の経営管理を補助する機能等のことです。
8.「ソフトウェア三無主義」とは、ソフトウェア保守、システムサポート、バージョンアップの3つを無償で提供するサービスで
す。ソフトウェア保守とは、最新カルテのコメント又は摘要マスタ等を歯科医院の要望に適合させるカスタマイズ対応などで
す。システムサポートとは、操作上の問合せや歯科医院スタッフに対する操作トレーニングなどです。バージョンアップとは、
顧客からの要望事項に対応した操作上の機能向上などのシステム更新です。ただし、健康保険の診療報酬改定、保険の制度自体
の変更、その他制度自体の変更(例えば消費税率の値上げ等)によりプログラム改修が必要となった場合については別途、有償
となります。
(ビジネスモデル)
当社は、仕入先メーカーから機器等を仕入れ、当社が開発したシステムを搭載することで商品とし、これを歯科医院に納品・販売しております。
販売先である歯科医院は、原則としてリース契約を活用して支払いを行います。歯科医院はリース会社とリース契約を締結し毎月のリース料を支払い、当社はリース会社より販売代金を受領しております。例外的にリース契約を活用しない場合、当社は歯科医院から直接、販売代金を受領します。
商品のハードウェアに係る修理・保守については、顧客による実費負担となっております。ただし、顧客である歯科医院は、顧客が独自に結成している任意の互助会組織HMG(注)9に加入することで、ハードウェアの修理・保守に係る費用負担を受けることができます。2022年9月30日現在、HMGへの加入は顧客3,118件中、3,087件となっております。
9.HMG(ハイデンタルハードメンテナンス互助会のことで略称をHMGと呼びます。)とは当社の顧客が独自に結成している任意の
互助会組織です。主な目的は、当社商品に係るハードウェアの修理・保守等に係る費用の負担や会員同士の情報交流です。当社の顧客は月当たり1,500円からの会費(なお、システム規模により変動)を納入することで、入会できます。
当社及び顧客等との関連を系統図で示すと以下のとおりとなります。
(事業系統図)
(*1)上図の[リース活用時]は、顧客が当社商品の購入に当たり、リース会社とリース契約を締結した場合の資金の流れです。
(*2)上図の[現金取引時]は、顧客が当社商品の購入に当たり、販売代金を直接、顧客から当社に支払う場合の資金の流れです。
(事業の特徴)
当社事業及び当社が手掛ける商品・サービスには、以下の特徴があります。
① 商品・サービスについて
当社の顧客である歯科医院の抱える課題として、行政が定める歯科のカルテ記載のルールや形式が複雑なことや保険診療報酬の請求計算(レセプト)が複雑であり定期的な改定が求められています。また患者に対するインフォームドコンセントの必要性が高まっていることやスマホでの予約やスマホで決済などのニーズが挙げられます。
そこでこれらの課題に対応するため、当社は、電子カルテ機能、レセプト機能に加え、インフォームドコンセント機能を一元管理する歯科電子カルテ統合システムにクラウドを活用したオンライン診療システム(スマホ予約、スマホ問診、スマホ診療、スマホ決済)を結合することで創り出された当社独自の世界観「It's Hi Dental World 歯科医療に夢と未来を…」を展開しております。
まず、電子カルテ機能とレセプト機能については、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版(平成29年5月)」(厚生労働省)で示されている「電子保存の3基準」に適合するため、株式会社日立製作所のデータベース「HiRDB」に指静脈生体認証システムを組み合わせることで、データベースに対するあらゆる操作及び操作者の記録や、不正な書換・消去などの防止を可能とし、患者及び顧客である歯科医院が安心して利用できるシステムを提供しております。
次に、患者に対するインフォームドコンセント機能として、患者に対して治療の内容・経過等をわかりやすく伝える各種のツールを提供しております。例えば、「i-DS検査」という商品では、治療後すぐ、チェア・サイドからiPadに歯周病検査の結果や口腔内写真を表示し、患者にわかりやすい説明を実施することができます。
そして患者様のニーズに即した予約から決済までのスマホの活用促進機能として、スマホ予約やスマホ診療、スマホ診察券などを有したオンライン診療システムがあり、さらに予約分析や診療分析ができる経営分析システムを開発強化しております。
また、歯科医院の運営管理の効率化を推進する機能として、電話の着信時に患者情報を表示して電話応対を円滑にする「CTIシステム」や、1台のコンピューター端末に複数の仮想PCを起動させる技術を応用し複数のiPadから同時に電子カルテ入力を可能とする「バーチャルカルテ」を開発し、販売しております。
(当社商品の体系について)
このように、「It's Hi Dental World 歯科医療に夢と未来を…」を主力商品のコンセプトに、患者及び歯科医院の安心と満足につながる情報システムをパッケージソフトとして提供してまいりました結果、 中には20年以上の長期にわたる取引関係となる顧客も多く 、当社の顧客による買替更新比率は 93.6% (注)10 となり、顧客数は以下のとおり推移しております。
10.買替更新比率は、2017年10月1日から2022年9月30日を対象期間として、当社顧客のうち買替更新を行った顧客の合計件数を、
当社顧客のうち買替更新を行った顧客の合計件数と他社切替により当社との取引関係を解除した顧客の合計件数の合計で除して計算しております。
(地域ブロック別の顧客数の推移)
② 収益形態及びソフトウェア三無主義について
当社の収益は、独自に開発しパッケージ化した歯科電子カルテ統合システムの販売によるシステム売上高が大部分を占めており、他に診療報酬改定等の制度上の改定に伴うプログラム改定売上高、マイナンバーカードを健康保険証として使用できる等のオンライン資格確認等システム売上高、その他として機器等の修理売上高等で構成されております。
なお、当社は顧客である歯科医院の安心感・満足感を高めるため、創業以来、「ソフトウェア三無主義」を提唱し、定期的な保守料等は受け取っておりません。例えば、当社システムの使用や操作方法について不明な点が出てきた場合に、何度でも専任の営業サポート社員から説明やトレーニングを受けることができます。そのため、顧客である歯科医院は、当社商品の購入後、毎月定額の保守料等の費用負担なく安心してサポートサービスを受けることができます。
③ 営業サポート体制について
当社は、西日本を中心とした全国23拠点に約100名の営業サポート社員を配置し、地域密着型の直接的な営業サポート体制を構築しております。その担当エリアにおいて当社社員は、新規顧客への営業活動と、既存顧客に対する保守サービス等のサポート活動を行っております。
新規顧客への営業活動としては、顧客となる歯科医院を直接訪問し、医院運営に適ったシステムとアプリケーションを提案する営業を行っております。既存顧客に対するサポート活動としては、顧客ごとに専任の営業サポート社員を配置し、迅速に直接訪問して対応するサポート体制をとっております。具体的には、定期的な顧客訪問、診療報酬改定時の情報提供(例えば、説明用冊子の作成など)、改定内容に係る説明会の開催や訪問時の個別説明、顧客の歯科医院内での業務フローに合わせた細かなシステム設定、機器障害発生時での訪問対応等があります。このようなサポートを専任体制により提供することで、顧客との信頼関係が醸成されると考えております。
またこのように、地域に密着して営業活動とサポート活動を行う専任の営業サポート担当社員が、顧客を直接訪問し保守サービス等の「顔の見える」営業サポートを実践することで顧客の要望を把握し、当社システムの一層の進化・向上につなげることで、顧客満足度の向上に取り組んできた結果、既存顧客が定期的に行う基幹システムの入替時において一定の買替更新比率を確保しております。
さらに、このような営業とサポートの両面を支えるため、2010年から営業サポート社員全員にクラウド型営業支援ツールを導入し、顧客情報の可視化を行うことで、営業部門全体の生産性を高めるよう努めてまいりました。下記に当社の営業拠点の状況を記載いたします。
(2022年9月30日現在)
④ 売上債権の回収について
当社は複数のリース会社と提携することで、歯科医院が円滑にリース契約を締結できる体制としております。リース契約の活用により、顧客は初期導入費用の負担を軽減でき、当社は売上債権回収に係る業務負担を軽減しております。
⑤ 開発業務について
当社は、社内による独自開発を基本方針としております。これは、吸い上げられた顧客ニーズを迅速に開発業務へとつなげるためであります。また、外注委託の活用を限定的とすることで、製販一体の強みをより生かすことができるとの考えによります。さらに、株式会社日立製作所との特約店契約に基づく連携により、日立グループが有する新しいIT技術のノウハウを開発業務に活用できる体制を構築しております。
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