当社グループは、気象・海象・地象・水象・宙象データを顧客やサポーターとともに収集し、高精度な予測値をもとに対応策コンテンツに加工し提供しています。当社グループの事業は、法人向けのBtoBと個人向けのBtoS(Sはサポーター)に分かれます。
BtoB事業においては航海、航空、陸上、環境(エネルギー、流通小売など)、スポーツなどの多様な産業分野において、気象予報に基づく業務支援サービスを提供しております。BtoS事業においては携帯端末・インターネットサイトを通じた気象コンテンツの配信や、放送局、ラジオ局などにコンテンツを提供しています。
当社グループのサービスの概要を図示したものは次のとおりです。
(図用語解説)
1.感測 |
・ウェザーニューズ独自の言葉。目や耳など、一人ひとりの人間が持つ身体の能力である五感と、五感を拡張する道具を用いて測ること。五感で「感じ」、「測る」ことを言う。 |
2.WNI衛星 |
・北極海の海氷、台風の雲頂高度、火山灰の拡散状況などを観測するための小型衛星。 |
3.Risk Communication Community & Content |
・気象予測・気象リスクとその対応策に関わるコミュニティ及びコンテンツを提供すること。 |
(1)当社グループのビジネスの仕組みについて
① マーケティング:価値共創型ビジネスデザイン
サポーター(企業、個人)に対して当社が一方的にサービスを提供するのではなく、観測・感測、予測、コンテンツ展開のすべてのプロセスにサポーターが参加し、ともに気象をベースにした価値創造サービスを作り出し、広げていく価値共創型ビジネスデザインを進めています。このビジネスデザインを通じて生み出されるサービスは、多くのサポーターが参加すればするほど価値が高まっていくサービスであり、当社はこのサービスの形をJoin & Share型サービスと呼称しています。このJoin & Share型サービスを通じて、特定の顧客のみならず、その業界全体あるいは業界横断的な共通のテーマや解決すべき問題に対応していくと同時に、当社がサービスを提供する企業とその企業の顧客である個人をもJoin & Shareで結びつけることで、さらに新しい価値を創造することを志向しています。
② 販売:トールゲート型ビジネスモデル
「トールゲート型」とは、高速道路の料金所に例えた当社独自の事業形態であり、当社の収益の基礎をなすサービスです。トールゲート型ビジネスモデルは、気象をベースにしたコンテンツ及びサービスを各事業グループが継続的に提供するビジネスモデルです。
③ サービス & サポート(運営):グローバルビジネスモデル
生産・運営部門の基幹機能を日本のグローバルセンターに一元化し、サービス品質の安定化及びサービス価値の高度化を実現すると同時に、各国の戦略的販売拠点(SSB)がそれぞれの市場ニーズに合わせたコンテンツ販売を行うことでグローバル展開することを当社のグローバルビジネスモデルの根幹としています。また、サービス & サポートに関しては、24時間365日安定して運営を行える体制を整備することを目的に、日本のグローバルセンターに加えて欧州・米州にもサービスセンターを展開することで、時差の影響を受けることのない世界3極運営を行っております。2022年現在、グローバルセンター(日本)の他、サービス・オペレーションセンターとしてオクラホマ・アムステルダム・コペンハーゲン・パリ・アテネ・マニラ・ヤンゴンの8都市での運営体制を整備しています。なお、一部の国でニーズのある現地語でのサービス & サポート体制も稼働しており、価値創造型サービスのグローバル展開を推進しています。
(2)当社グループのコンテンツ及びサービスの仕組みについて
当社グループは、企業・個人サポーターとの間で構築された独自観測・感測ネットワークから得られる気象データ及び各国の気象データを集積した独自の気象データベースを保有し、常に更新しています。独自観測・感測ネットワークは、一元的に収集・配信される官営の気象データとは異なります。企業向けには各事業に必要な気象データを企業とともに収集・共有し、ニーズに合わせたサービスに利用し、個人サポーター向けには多くのサポーター自らも感測に参加することによってコンテンツ及びサービスそのものを共創するなど、共有された感測情報を含む多くの情報を気象予報やコンテンツづくりのベースとして新しいコンテンツ展開に活用しています。
独自気象データベースに集積されたデータから、当社グループ独自の予測モデルと予報センターを通じて、コンテンツの基礎データとなる予測値を作成します。BtoB(企業向け)事業の場合は、各事業・各企業のビジネスデータベース、BtoS(個人向け)事業では、生活情報データベースとリンクしています。
BtoB事業のサービスでは、当社グループの独自の予測値に基づき、企業・自治体など個別の顧客の気象リスクを解析し、顧客毎に最適化された問題解決型の対応策コンテンツを作成します。これらコンテンツは顧客向けに開発されたコンテンツ利用ツール経由で各顧客に提供され、これらコンテンツの提供を通じて顧客の意思決定を支援します。
BtoS事業のサービスでは、BtoB事業で培ったリスクコミュニケーションコンテンツを生かし、個人・分衆(ある特定の目的を持った人の集まり)のニーズに合わせて台風、ゲリラ豪雨に対する減災コンテンツや桜開花、花粉症など生活者向けコンテンツとして、モバイル、インターネット、放送局等のメディアを通じて発信・交信します。
(3)当社グループの主なサービス内容について
当社グループは、企業・自治体向けには気象予報に基づく問題解決型の対応策コンテンツを提供し、個人・分衆向けには多種多様な変化に富んだ気象・海象・地象・水象・宙象に関する感動共有型のコンテンツを提供しています。また、主要な事業分野として7つの事業分野を定義し、BtoB事業(企業・自治体向け)では航海気象事業・航空気象事業・陸上気象事業・環境気象事業・スポーツ気象事業、BtoS事業(個人・分衆向け)ではモバイル・インターネット気象事業・放送気象事業の区分のもと、各市場に特化したサービス企画・運営・開発・営業を行い事業を推進しています。
■Sea Planning:航海気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
VP (航海気象) |
安全運航及び効率的な燃料消費を支援する最適航路推薦(OSR)サービスなどを世界の外航船の約30%に対して提供しています。日本を含むアジア、アメリカ、欧州に拠点を設け、世界の船と日々コミュニケーションしています。 |
外航海運会社 |
M (海上気象) |
生産品の品質管理から配船、海上輸送及び在庫管理の最適化を支援するサービスや、国内外の液体危険貨物輸送船の離着桟の可否判断を支援するサービスを提供しています。 |
製鉄会社、内航海運会社 |
Offshore Energy (洋上エネルギー気象) |
国内外の洋上風力事業の立地選定と事業性評価から、発電量の予測、発電設備の施工・保守の支援を一貫してサポートします。高精度な気象海象予測モデルを構築し、安全かつ効率的な施設保全作業の最適化を支援するデジタルツインの実現を目指します。 |
洋上風力事業者、工事・保守事業者 |
■Sky Planning:航空気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
SKY (航空気象) |
航空事業者・空港・航空機・パイロットなどの個々の悪天閾値に対して、事前に予測可能な現象に対する対応策支援情報の提供や天気変化に基づく通知を実施し、最適な運航可否判断支援情報を提供しています。 |
エアライン、使用事業者、県警、消防関係機関、ドローン |
■Land Planning:陸上気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
RD (道路気象) |
道路維持を行う企業や国、自治体の道路管理者に対して、雪氷・降雨をはじめとした気象情報の提供により、道路の安全性の確保と効率的な作業を支援するサービスを提供します。 |
道路維持管理会社、国、地方自治体 |
R (鉄道気象) |
鉄道事業者が、安全性を確保し定時運行を実現するためには、路線沿いの気象状況の変化及び最新情報を的確に得られることが重要です。過去の災害等の気象の関係を分析・解析し、沿線や規制区間ごとの最適な列車運行管理を支援します。 |
鉄道会社 |
DIMINISH (防災気象) |
気象現象によって引き起こされる自然災害は、人々の生活、インフラ、企業活動に大きな影響を与えます。防災業務を行う行政、団体、企業に対して、気象データの分析をもとにした対応策、意思決定支援を行い、安全かつ効率的な防災業務を支援することによって、災害を軽減し、住民、関係者の安全に貢献します。 |
地方自治体、ユーティリティ企業をはじめとした防災機関 |
■Environment Planning:環境気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
E (エネルギー気象) |
エネルギー会社の需要計画の支援と電力会社への風力・太陽光・水力による自然エネルギー発電量予測をリアルタイムで提供し、需給バランス維持の支援を行います。エネルギー供給設備保全における荒天や気象災害への対応も支援します。 |
電力・ガス事業、 |
Store (流通気象) |
製造、小売市場の気象要因に対する製品別需要の相関を価格や宣伝などビジネス要因も把握してモデル化し、生産計画と販売計画の双方を支援します。需給バランスの把握と最適在庫管理による商品廃棄の軽減に貢献します。 |
コンビニエンスストア、 |
■Mobile・Internet Planning:モバイル・インターネット気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
Mobile・Internet (モバイル・インターネット気象) |
アプリや動画番組を通じて個人ユーザーへ気象情報を配信。ウェザーリポートをはじめとする参加型ネットワークを構築し、高い予報精度や高解像度の気象情報を「ウェザーニュース」ブランドとして各種プラットフォームで提供しています。また、2020年より開始したWxTech® (ウェザーテック)サービスでは、DX時代に合わせたビジネス分析や予測を気象データから支援し、新たなビジネスチャンスの創出、マーケティング戦略の立案など、攻めのビジネスの実現をサポートしています。 |
個人・分衆 |
■Broadcast Planning:放送気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
BRAND (放送気象) |
各地域の気象状況にあわせた番組構成からコンテンツ準備、気象予報士の派遣、読み原稿や、アナウンサーへのブリーフィングに至るまで、それぞれの放送局のニーズにあわせた制作を支援します。また、気象災害のおそれがある場合、視聴者にいち早く情報をオンエアで伝えられるよう災害情報を速報システムで提供しています。 |
テレビ・ラジオ局、ケーブルテレビ局、デジタル・ネットワーク事業者 |
■Sports Planning:スポーツ気象事業
市場名 |
サービス内容 |
対象顧客 |
Sports Weather (スポーツ気象) |
チームや選手が、良い準備をして、試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、気象情報の提供・データ分析・戦略立案・スケジュール策定を支援します。日本代表やプロチームへの支援経験を活かし、分衆(アマチュア)へも展開していきます。 |
スポーツ選手、 |
Sports Festival |
これまでの様々な国際スポーツ大会の経験を活かし、各種スポーツ大会において、大会を安全・円滑に運営することを気象面から支援します。 |
スポーツ大会主催者・運営者 |
それぞれのサービスは、以下の会社によって行われております。
上記の会社は全て連結子会社です。
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