業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による不透明な状況の中、国外・国内ともに回復傾向で推移しました。

米国においては、自動車関連に落ち着きは見られますが、各業種では依然として高水準であり、欧州においては、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりがありますが、好調を維持しております。

中国においては、EV関連などで活発な状況が続き、その他アジアにおいても緩やかな回復が続きました。

我が国経済においては、半導体不足による自動車の減産や、部品・部材不足による工作機械の長納期化など懸念はありますが、需要は堅調に推移いたしました。

このような状況下、当社グループでは、中長期経営計画「Re;Neo Challenge - リ;ネオ チャレンジ-」達成に向けた施策に取り組んでまいりました。

生産部門においては「受注生産方式」を導入し、主力機種については仕様によって異なる部位をあらかじめモジュール単位で在庫管理し、仕様決定と同時に最終工程まで組み立てる「受注組立方式」に着手し、短納期化を進めました。

営業部門においては、機械本体を販売する「マシンセールス」、既存のお客様へ訪問しメンテナンス、オーバーホール等を提案する「カスタマーセールス」に分け、積極的な営業活動を展開しました。

技術面においては、4月にアフターコロナ・ウィズコロナを見据え自動化・省力化に対応する製品としてワークの心出し作業の省力化を図る「匠AIシリーズ3Dマイスター」を、10月には、当社の主力商品であるVM/Rシリーズを更新した「VM/RⅡシリーズ」として「VM43RⅡ」「VM53RⅡ」「VM76RⅡ」を発表いたしました。

また、10月に久々の大規模リアル展示会「メカトロテックジャパン2021」が名古屋で開催され、当社においても複数の製品を出展し、感染症対策を行いながら、積極的な交流を行い当社の技術力をアピールいたしました。

そして、11月18日に当社は日本電産株式会社に対し、資本提携契約締結及び第三者割当による新株式の発行を行うことを決議し、2月1日に日本電産株式会社を親会社とする日本電産グループの企業として新たなスタートを切りました。日本電産グループ企業となったことで、グループ企業間でのシナジー効果の創出、新たな経費削減策への取り組み等、短期間で業績の改善がみられております。

しかしながら、第4四半期については回復が見られましたが、近年の業績不振や不適切な会計処理及び不正行為に起因する決算の遅れなどの影響から、年初より受注低迷が続いたことで、売上・利益ともに低調な結果となりました。

これらの結果、当連結会計年度の当社グループの財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(a) 財政状態

資産の部は32,784百万円となり、前連結会計年度末と比較して396百万円の増加となりました。増加の主なものは、CMS預け金5,586百万円、受取手形、売掛金及び契約資産435百万円、繰延税金資産285百万円、減少の主なものは、現金及び預金5,757百万円、投資有価証券447百万円などであります。

負債の部は19,788百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,831百万円の減少となりました。減少の主なものは、借入金3,714百万円、繰延税金負債238百万円、社債300百万円、増加の主なものは、電子記録債務644百万円などであります。

純資産の部は12,995百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,227百万円の増加となりました。これは主に、第三者割当増資による新株式発行5,478百万円、親会社株主に帰属する当期純損失の計上1,304百万円などによるものであります。

 

(b) 経営成績

当連結会計年度の売上高は13,791百万円(前連結会計年度比14.1%増)となり、営業損失は1,039百万円(前連結会計年度は営業損失2,755百万円)、経常損失は1,174百万円(前連結会計年度は経常損失2,474百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,304百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,425百万円)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(工作機械事業)

国内については近年の業績不振や不適切な会計処理及び不正行為に起因する決算の遅れなどによる影響から低迷が続き売上高は7,922百万円(前連結会計年度比24.1%増)となりました。海外についても、徐々に回復は見られますが、低調な状況が続き売上高は5,095百万円(前連結会計年度比8.2%増)となりました。この結果工作機械全体の生産高は13,288百万円(前連結会計年度比93.1%増)、受注高は18,456百万円(前連結会計年度比58.1%増)、売上高は13,018百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。

(その他)

売上高773百万円(前連結会計年度比21.9%減)となりました。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ324百万円増加し、6,742百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、1,363百万円の支出超(前連結会計年度:1,972百万円の収入超)となりました。支出の主なものは、税金等調整前当期純損失1,702百万円、売上債権及び契約資産の増加484百万円であり、収入の主なものは、仕入債務の増加584百万円などであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、384百万円の収入超(前連結会計年度:219百万円の支出超)となりました。収入の主なものは、定期預金の純減少額495百万円、投資有価証券の売却による収入248百万円などであり、支出の主なものは、有形固定資産の取得による支出316百万円などであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、1,296百万円の収入超(前連結会計年度:1,765百万円の収入超)となりました。収入の主なものは、株式の発行による収入5,478百万円、短期借入金の純増加額2,019百万円などであり、支出の主なものは、長期借入金の返済による支出6,142百万円、社債の償還による支出300百万円などであります。

 

③  生産、受注及び販売の状況

当社グループの生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。

なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成にあたっては、貸倒引当金、棚卸資産、退職給付に係る負債等に関して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、資産・負債及び収益・費用等の数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。実績については、見積りの不確実性があるため、これら見積りと異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響については、当連結会計年度より徐々に受注が回復する前提で、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主要なものは以下のとおりであります。

a. 繰延税金資産の回収可能性

当社グループでは、将来減算一時差異に対して、予測される将来課税所得及びタックス・プランニング等を考慮し、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。課税所得の見積りは主として翌連結会計年度の予算を基礎としております。

将来の課税所得の見積りの基礎となる予算における主要な仮定は、工作機械の販売数量の予測であります。販売数量の予測は、主に顧客の需要予測を基に判断しております。

なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますが翌連結会計年度に及ぼす影響は乏しいと判断しております。しかし、新型コロナウイルス感染症の収束時期等には不確実性があり、翌連結会計年度の経済環境及び当社グループの業績に対して想定外の影響を及ぼす可能性も否定できず、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額もしくは減額される可能性があります。

 

②  当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による不透明な状況の中、国内・国外ともに回復傾向で推移しました。

米国においては、自動車関連に落ち着きは見られますが、各業種では依然として高水準であり、欧州においては、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりがありますが、好調を維持しております。

中国においては、EV関連などで活発な状況が続き、その他アジアにおいても緩やかな回復が続きました。

我が国経済においては、半導体不足による自動車の減産や、部品・部材不足による工作機械の長納期化など懸念はありますが、需要は堅調に推移しました。

しかしながら、第4四半期については回復が見られましたが、近年の業績不振や不適切な会計処理および不正行為に起因する決算の遅れなどの影響から、年初より受注低迷が続いた結果、当連結会計年度の売上高は13,791百万円(前連結会計年度比14.1%増)となり、営業損失は1,039百万円(前連結会計年度は営業損失2,755百万円)、経常損失は1,174百万円(前連結会計年度は経常損失2,474百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,304百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,425百万円)と推移いたしました。

なお、当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処する課題等 (2) 目標とする経営指標及び(3) 会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 財政状態、キャッシュ・フロー、資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に詳細は記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローで1,363百万円の支出超、定期預金の解約など投資活動によるキャッシュ・フローで384百万円の収入超、株式の発行など財務活動によるキャッシュ・フローで1,296百万円の収入超となり、現金及び現金同等物の期末残高が前期末比324百万円増加し、6,742百万円となりました。

当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資などに対応するものであり、これらを自己資金、グループファイナンスによる借入金により調達しております。

 

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