事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 海外での事業展開に伴うカントリーリスク

(リスクの内容)

当社グループは、顧客満足度の向上を通じた受注の拡大を目的として、世界各地域において研究開発から資材調達、生産、販売に至るまでの広範な事業活動を展開しております。特に中国においては、グローバルに製品供給を行うべく、生産拠点の充実・強化を進めてまいります。

中国をはじめ各国においては、以下のような不測の事態が発生するリスクがあります。

  ① 政治体制、経済環境の激変

  ② 法制、税制、為替政策、輸出入に関する規制などの急激な変更

  ③ 労働力の不足、人件費の高騰、大規模な労働争議の発生など労働環境の激変

  ④ 社会インフラの未整備に起因するエネルギー供給の不安定化

  ⑤ テロ、戦争、暴動、自然災害、感染症の蔓延などによる社会的混乱

(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)

当該リスクが顕在化する可能性は10年から20年に一度程度と想定してまいりましたが、戦争や感染症の蔓延などリスクが顕在化したほか、経済面や安全保障面での米中対立も続いており、不透明感が高まっております。

(リスクが顕在化した場合の影響の内容)

当該リスクが顕在化した場合、現地従業員及び駐在員の安全並びに生産設備など現地資産の保全が危うくなるおそれがあるほか、グローバルな製品供給体制に支障が生じ、当社グループ全体の事業活動に深刻な悪影響が及ぶ可能性があります。

(リスクへの対応策)

BCPの観点から、中国に匹敵する生産拠点をベトナムに整備することや、国内にも一定の供給能力を確保することで、不測の事態が発生しても早期に復旧できる体制の整備に努めております。

(当連結会計年度におけるリスクの顕在化について)

当連結会計年度においては、中国政府による新型コロナウイルス感染症対策としての大規模なロックダウンの実施、ロシアによるウクライナ侵攻という形で当該リスクが顕在化いたしました。

当社グループの中国の生産拠点は、ロックダウンの対象とはならず、感染対策を徹底して通常稼働を継続することができました。お客様及びサプライヤー様の中には大きな影響を受けた先もありましたが、平素から潤沢な在庫を保持するという戦略も奏功し、当社グループの製品供給に大きな支障は生じませんでした。また、ロシアによるウクライナ侵攻に関しては、紛争当事国における事業活動の規模は小さく、当社グループへの影響は限定的なものに止まりました。

 

(2) 外国為替相場の変動リスク

(リスクの内容)

当社グループは、世界各地域において研究開発から資材調達、生産、販売に至るまでの広範な事業活動を展開しております。

当社グループの外貨建取引及び外貨建資産等は、連結財務諸表作成時に円換算するため、外国為替相場の変動により業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)

当社グループの海外ビジネスの拡大に伴い、リスクが顕在化する可能性は高まっており、過去の経験上、2~3年程度に一度は、為替変動により業績及び財政状態に比較的大きな影響を受けることが想定されます。

顕在化の時期としては、業績に対する影響は年間を通じて、財政状態に対する影響は決算期末となります。

(リスクが顕在化した場合の影響の内容)

円高方向への為替変動により、当社グループの外貨建売上高及び利益が減少いたします。外貨建の仕入及び費用も減りますが、相対的に影響は少額であります。また、当社グループの外貨建資産に関して、換算上のマイナスが発生いたします。

(リスクへの対応策)

外貨建の仕入を増やすことに努めておりますが、モノづくりの本拠が日本にあることから、対応には限界があります。現在、グループ内での現金配分を見直すことにより、特に為替変動の影響を受けやすい新興国通貨建の資産を減らす対応を進めております。

 

(3) 製品の欠陥に関するリスク

(リスクの内容)

当社グループは、製品の欠陥によってお客様に損害を与えた場合、製造物責任を問われるリスクがあります。

当社グループの主要製品である空気圧機器は、医療機器などの新しい分野に用途が拡大しており、これら機器に使用された製品に欠陥があったとして、損害賠償を求める訴訟が提起されるリスクもあります。

(リスクが顕在化する可能性の程度及び時期)

大規模な製品の欠陥という形で、当該リスクが顕在化する可能性は非常に低いと想定しております。顕在化の時期は特定できません。

(リスクが顕在化した場合の影響の内容)

当該リスクが顕在化した場合、損害賠償のための費用負担が発生するほか、お客様からの信頼を失うおそれがあり、イメージダウンに伴う他のお客様からの失注も含め、当社グループ全体の事業活動に悪影響が及ぶ可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは厳しい品質管理を行っておりますが、製品に欠陥が生じるリスクをゼロに低減することは不可能であります。生産物賠償責任保険には加入しておりますが、保険金によって賠償額のすべてを賄える保証はありません。

(当連結会計年度におけるリスクの変化について)

当社グループは、工場の生産設備などで使用される自動制御機器を製造販売しており、リスク管理の観点から、人体に直接触れるような医療機器の部品等としては、製品を供給しないことを原則としております。

しかし、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中、多数のお客様や各国政府からのご要請を受けて、半導体産業向けに実績のある製品を転用する形で人工呼吸器向けの製品供給を例外的に行いました。

他に同様の製品を短期間にかつ大量に供給できるメーカーはなく、人道的な見地から、ある程度のリスクは受容し、企業としての社会的責任を果たすべきであるとの経営判断を行ったものであります。

 

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