研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度は、大径対応低温摩擦接合機を開発しました。従来機より大径部品への利用が可能となり、機械要素、自動車部品分野を主体に試験接合の依頼が増えております。前年度開発しました小型ユニットタイプウォータカッター「バリューモデル」の市場投入を行い、ご利用いただいておりますユーザー様からの要望を取り入れブラッシュアップを行っております。

その他、研究開発活動としては、設備の状態監視による予備保全を目的とした高速画像処理技術やAI判定技術を応用した点検・検査装置の開発に取り組みました。UAV(無人航空機)開発においては、自社製のフライトコントローラを搭載した汎用的なマルチロータ型UAV開発しました。自動飛行・自動離着陸に成功し、上空からのデータ収集等の実証試験を進めております。これら研究開発テーマにつきましては、翌連結会計年度も引き続いて試験機の開発を進め製品化に繋げる取組みを行います。

当連結会計年度における研究開発費の総額は558百万円であり、各セグメントの主な研究開発活動の内容は、次のとおりであります。なお、開発本部で行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用238百万円が含まれております。

 

キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー(金属素形材事業)

当連結会計年度は、前連結会計年度までに開発展開している生砂管理の安定化策(鋳造製品の組合せによる添加剤の添加量調整)の運用確認・調整を、引き続き本社地区全ラインに適用しており問題なく機能しております。これによりコロナ禍における生産変動や生産品目の変化に対しても安定した品質を維持することができました。

快削性球状黒鉛鋳鉄での製品実現に向けて、数水準の材質調整した供試材により切削環境を変えた切削性試験や鋳造欠陥の発生度合いの確認を行い、基礎データの収集を行いました。これによりメリット・デメリットを明確にすることができてきております。翌連結会計年度においては、好条件の材質及び加工条件を決定し、鋳鉄実製品を用いた切削性の評価を行い、実用に向けての取組みを進めてまいります。

また、前連結会計年度までに導入した鋳造シミュレーションソフトと 3D 樹脂プリンターを用いて各種試作型の製作を行い、社内試作ロスのミニマム化を図っております。

当連結会計年度においては、鋳造シミュレーションの高速化を図り、複雑なシミュレーションの高速化を行うとともに、解析アルゴリズムが改善による内部欠陥発生現象をより製作に把握できるようになっております。翌連結会計年度においても受注製品の生産準備等に用い、コストのミニマム化を図ってまいります。

当事業に係る研究開発費は22百万円であります。

 

 

キタガワ サン テック カンパニー(産業機械事業)

当連結会計年度は、前連結会計年度に続き国土交通省の建設技術研究開発助成制度を活用した「生コンクリートスラッジ水高度利用技術の開発」を進め、同技術のJIS規格化に向けた取組みを行いました。翌連結会計年度においては、NEDOに創設された「グリーンイノベーション基金事業/CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」への参画が決定し、スラッジ水高度利用技術を加えた総合的なカーボンニュートラル貢献技術の開発を進めます。

生コンプラント関係では、次世代2軸強制練りミキサ「ジクロス NEO 」のシリーズ最大機種、および新型ミキサ自動洗浄機の開発と商品化に取組み最大機種の 1 号機をお客様に納入し製品ラインナップに加えました。また、同クラスの動力アップしたミキサも社内試験プラントで基本性能試験も完了し、翌連結会計年度においてお客様に納入予定です。

建設機械関係ではクレーン運転の自動化に向けた技術開発を進めており、前連結会計年度から引き続きバージョンアップを行いました。更に遠隔運転の開発にも着手し、引き続き周辺機能の開発を行う予定です。また、吊荷旋回制御装置については標準機に加え、大型・小型を完成させシリーズ化しました。

立体駐車場関係では、車室横に柱の無い大空間を実現したスーパーロングスパンタイプの3層4段の大臣認定を新たに取得しました。3層4段から5層6段までのラインナップを揃えることで、この駐車場の使い易さを最大限にPRし、お客様への提案力を高めてまいります。また、高層タイプの需要の高まりを踏まえ、新たにスーパーロングスパンタイプの6層7段の大臣認定取得に向けた作業に着手しました。翌連結会計年度に大臣認定を取得する予定です。

当事業に係る研究開発費は97百万円であります。

 

キタガワ グローバル ハンド カンパニー(工作機器事業)

当連結会計年度は、旋盤用チャックでは、既に開発完了して販売中の新型標準チャックBRシリーズ(三つ爪タイプ)の高精度技術を展開して、特殊チャックや高機能チャック開発に継続して取り組みました。なおBRシリーズ開発で獲得した高精度技術は、2021年度日本機械学会賞(技術)を受賞致しました。

NC円テーブルでは、低速から高速まで様々な回転速度の機種の開発を継続すると共に、マシニングセンタ組込タイプの開発にも継続して取り組みました。

自動化需要に対応した商品としては、マシニングセンタ関連では測長機能付きテールストック、センタリングバイス、パレットクランプ等を開発しました。旋盤や複合機関連ではオートジョーチェンジチャック(AJC)の開発に継続して取り組みました。ロボット関連ではロボットハンドの新機種開発やサイズ拡充に取り組みました。

当事業に係る研究開発費は200百万円であります。

 

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