有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績、財務状況等に関連し、株価並びに投資家の判断等に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済情勢と業界動向について
当社グループの事業分野は、航空宇宙事業、産業機器事業及びICT事業でありますが、経済情勢及び各分野での景気動向やこれに伴う需給や価格の変動の他、地理的政治的要因に伴う紛争(ex.ロシア・ウクライナ紛争)や自然災害ほかによる社会的混乱等によっても、業績及び財務状況に影響を受ける可能性があります。特に昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による民間航空機業界の低迷を受け、当社の航空宇宙事業が影響を受けておりますが、それ以外の事業への影響は限定的です。
(2)原材料輸入・製品輸出等の海外活動について
当社グループでは、原材料輸入及び製品輸出等の海外取引があり、また、海外に連結子会社及び持分法適用関連会社があります。従いまして、為替相場の変動により、原材料の調達コスト及び製品の販売価格等が影響を受け、短期的には総じて円高は当社グループの業績にマイナスに働く傾向にあります。また、海外関係会社業績の連結財務諸表への円換算額等にも影響を与えることとなります。
更に、海外市場における景気変動が及ぼす影響のほか、各国における予期しない法規制、不利益をもたらす政治的変化などのリスクが考えられ、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績と財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に米中貿易摩擦により、当社の販売先である中国市場や、原材料や部品の当社への供給者に影響が生じた場合に当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(3)法的規制等について
当社グループでは、事業の遂行にあたり、所定の許認可を取得するとともに関係法令を遵守し、また、環境との調和を図ることを経営の重要課題の一つと考えており、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを有効に機能させております。なお、関連する規制の強化等があった場合は、対応のため、新たなコスト増加等の影響を受ける可能性があります。
当社グループでは防衛装備品に係る過大請求、熱交換器に係る不適切行為等の事案が発覚し、その再発防止のためにコンプライアンスの強化を行っています。しかし、コンプライアンスに関するリスクは完全には回避することはできず、万が一重大なコンプライアンス違反を起こした場合には当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(4)原材料・部品の供給に係るサプライチェーンについて
当社グループでは、多くの取引先から原材料や部品の供給を受けています。特に昨今の半導体部品類の長納期化には全社対応体制を構築するとともに、単一の供給者からの重要な原材料、部品の供給を受けている状態(シングルソース)を解消すべく複数の供給者を確保するよう対策を行っています。ただし、完全にシングルソースを解消できておらず、そのような単一の供給者の事業に影響が生じた場合に、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(5)大規模自然災害に係る事業継続管理について
当社では、地震、水災などの大規模災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑え、かつ、事業継続・復旧を早期に行うためのBCPを策定しました。しかしながら、想定を超える大規模災害が発生し、当社グループの事業活動へ長期に亘って影響が生じた場合、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(6)情報セキュリティに関するリスクについて
当社では、標的型攻撃、不正アクセス等のサイバー攻撃に対し、セキュリティの強化及びEDR(Endpoint Detection and Response)等による感染時の対応体制の整備を進めておりますが、近年ますます高度化するサイバー攻撃、また、クラウドやモバイルといった利用方法の変化などに伴い、様々なセキュリティリスクを抱えるようになっており、万が一サイバー攻撃を受け、当社グループの事業へ長期に亘って影響が生じた場合、業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(7)技術開発に係るリスクについて
当社グループでは、技術革新に対応し、迅速な開発、コスト改善等、競争力の維持強化に努めておりますが、想定以上に開発が長期化し、若しくは需給変動及び競争激化による製品価格下落が進んだ場合には、業績面で悪影響を受ける可能性があります。経営戦略に沿った人財の確保及び育成を進め、培ってまいりました製造技術の確実な伝承、技術導入先等との良好な関係の維持及び技術開発力の向上に努めておりますが、予期しない状況変化や障害が生じた場合には、新たなコスト増加に繋がる可能性があります。
(8)市場リスクについて
当社グループでは、取引先の株式等の有価証券を保有しており、市場価格の変動リスクを負っています。なお、有価証券に係る時価に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (有価証券関係)」に記載しております。また、資金面では、効率的な運営及び必要な調達に努めておりますが、当連結会計年度末の有利子負債残高は25,142百万円となっており、今後の金利動向により、業績面で金利負担増加等の可能性があります。
(9)棚卸資産に関するリスクについて
当社グループの棚卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。当該棚卸資産の陳腐化や市場環境の急激な変化により収益性が低下していると判断し評価損を計上する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態にマイナス影響が生じる可能性があります。
なお、棚卸資産の評価損計上にあたって用いた会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(10)固定資産の減損に関するリスクについて
当社グループが保有している有形固定資産、のれん及び無形固定資産等の固定資産については、経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損処理を行うことにより、当社グループの業績及び財政状況にマイナス影響が生じる可能性があります。
なお、固定資産の減損の要否にあたって用いた会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(11)繰延税金資産の回収可能性に関するリスクについて
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の税負担を軽減する回収可能性が認められる範囲内で繰延税金資産を認識しております。しかし、当社グループの業績や経営環境の著しい変化により、繰延税金資産に回収可能性がないと判断した場合は、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状況にマイナス影響が生じる可能性があります。
なお、繰延税金資産の回収可能性の判断にあたって用いた会計上の見積りの仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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