業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(業績等の概要)

(1) 業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、米中の貿易摩擦の深刻化や海外経済の減速の動きがみられるなど不透明感を強めながら推移してきたことに加え、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響により、景気の減速懸念が一層高まりながら推移いたしました。

このような状況のもと、連結売上高につきましては、国内では現金管理運用サービスや業種向けSIビジネスなどが好調に推移したものの、営業店端末の減少やtoto端末の展開一巡などにより減収となりました。海外では、欧米向けリサイクルユニットが減少したことなどから減収となりました。これらに加え、国内外において新型コロナウイルスによるフィリピン工場の操業停止などに伴う製品出荷への影響、国内外における商談延伸や投資時期見直しなどによる減収影響が発生いたしました。これらにより、連結売上高は90,941百万円(前年度比11.1%減、11,360百万円の減)となりました。

連結営業損益につきましては、減収影響に加え、売上構成の変化や価格競争の激化などにより1,203百万円の利益(前年度は2,619百万円の利益、1,416百万円の減)となりました。また、連結経常損益は為替差損を計上したことなどにより857百万円の利益(同2,659百万円の利益、1,802百万円の減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う商談の延伸やサプライチェーンの停滞などによる減収影響に加え、事業構造改善費用などを特別損失として計上したことなどにより728百万円の損失(同1,563百万円の利益、2,291百万円の悪化)となり、2001年度以来18年ぶりの損失計上となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の概況は次のとおりであります。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。

 

[グローバルプロダクトビジネス]

グローバルプロダクトビジネスの連結売上高は51,815百万円(前年度比13.8%減、8,315百万円の減)となりました。

メカトロニクスにつきましては、欧米向けリサイクルユニットが減少したことなどから、減収となりました。システムプロダクトにつきましては、精算機などのビジネスが立ち上がり始めたものの、ATMおよび営業店端末の売上高が減少したことやtoto端末の展開が前年度で一巡したことなどから、減収となりました。これらに加えて、新型コロナウイルスの影響によるリサイクルユニットなどの商談延伸、フィリピン工場の操業停止、国内公営競技における無観客開催や場外発売所の休止による減収影響などがありました。

損益につきましては、減収影響に加え、売上構成の変化や価格競争の激化、次世代リサイクルユニットの開発投資などにより連結営業利益120百万円と前年度比では1,314百万円の減少となりました。

 

[ソリューション・サービスビジネス]

ソリューション・サービスビジネスの連結売上高は37,419百万円(前年度比6.8%減、2,736百万円の減)となりました。

サービスインテグレーションにつきましては、現金管理運用サービスの売上高が増加したことに加え、中古車市場向けせりシステムの増加や業種向けSIビジネスがモビリティ分野やネットバンク向けなど新領域へ拡大したことなどにより伸長したものの、流通店舗向けATMサービスの稼働台数の減少影響を補うにはいたらず、減収となりました。フロントソリューションにつきましては、決済ソリューションが堅調に推移したことに加え、国内外の手のひら静脈認証が好調に推移したものの、前年度にあったモバイル端末の大口需要が一巡したことに加え、新型コロナウイルスの影響による海外向けRFIDビジネスの商談延伸などにより減収となりました。

損益につきましては、減収影響などにより連結営業利益2,589百万円と前年度比では393百万円の減少となりました。
 

[その他]

その他ビジネスには、公共表示関連製品や金型および精密切削加工部品などが含まれており、連結売上高1,706百万円(前年度比15.3%減、308百万円の減)、連結営業利益20百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、4,808百万円となりました。売掛金の回収が前年と比べ増加したことなどにより、前年度比では、4,754百万円の収入増となりました。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動によるキャッシュ・フローは、△2,340百万円と、前年度比で1,029百万円の支出減となりました。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動によるキャッシュ・フローは△1,586百万円となりました

この結果、現金及び現金同等物の期末残高は16,230百万円となり、前年度比で819百万円増加しました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

当社のセグメントにおいては、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また、需給予測を考慮した見込み生産ならびに個別受注に基づく生産などを行っていることから、セグメント別に生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはせず、セグメントの業績に関連付けて示すことといたしました。

 

(1) 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

グローバルプロダクトビジネス

51,815

△13.8

ソリューション・サービスビジネス

37,419

△6.8

その他

1,706

△15.3

合計

90,941

△11.1

 

(注) 1  最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 

相手先

前連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

富士通株式会社

41,789

40.8

35,385

38.9

NCRグループ

11,459

11.2

9,417

10.4

 

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

(1) 財政状態

当連結会計年度末における財政状況につきましては、以下のとおりであります。

<資産>

当連結会計年度末の資産合計は、67,482百万円となりました。サービスビジネスの基盤設備及び、前年度に取得した熊谷サービスソリューションセンターへの追加投資等により有形固定資産が増加した一方で、前年度に集中した売上に係る売掛金を回収したこと等により前連結会計年度末から6,212百万円減少いたしました。

<負債>

負債合計は21,266百万円と、買掛債務の支払いなどにより前連結会計年度末から4,786百万円減少いたしました。

<純資産>

純資産合計は46,216百万円と、純損失の計上などにより前連結会計年度末から1,426百万円減少いたしました。

自己資本比率は67.6%と、前連結会計年度末から3.8ポイント増加いたしました。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度の連結売上高は、製品展開の一巡などによる減収影響に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響により、90,941百万円(前年度比11.1%減、11,360百万円の減)となりました。新型コロナウイルスの感染拡大につきましては、フィリピン工場の操業停止による製品出荷の停滞や、国内外での商談延伸などの影響があり、連結売上高で約32億円の減収影響、連結営業利益で約10億円の減益影響を受けました。

なお、セグメント別の連結売上高の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1) 業績」に記載のとおりであります。

また、海外売上高につきましては、欧米向けリサイクルユニットの減少やコロナウイルス感染拡大による商談延伸などにより、連結売上高26,274百万円と前期比で3,465百万円の減収となりました。この結果、海外売上高比率は28.9%と、前期より0.2ポイント減少いたしました。

地域別の連結売上高の推移は以下のとおりであります。

(百万円)

地域

前連結会計年度

(2018年度)

当連結会計年度

2019年度)

増減額

国内

72,562

64,667

△7,894

海外

()は売上高比率

29,739

(29.1%)

26,274

(28.9%)

△3,465

(△0.2%)

 

米州

14,679

13,474

△1,205

 

欧州

9,699

8,181

△1,518

 

アジア

5,244

4,559

△685

 

(うち、中国)

(2,072)

(1,215)

(△857)

 

その他

115

59

△56

102,301

90,941

△11,360

 

 

連結営業利益は、売上構成の変化や価格競争の激化などにより、1,203百万円の利益(前年度は2,619百万円の利益、1,416百万円の減)となりました。連結経常損益は、為替差損を計上したことなどにより857百万円の利益(同2,659百万円の利益、1,802百万円の減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、上記のとおりコロナウイルスの感染拡大による影響や事業構造改善費用1,437百万円を計上したことなどにより、△728百万円(前年度より2,291百万円の悪化)と、それぞれ減益となりました。なお、新型コロナウイルスの感染拡大による影響や経営環境の認識等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要) (1) 業績」もご参照ください。

 

当社グループを取り巻く経営環境は、米中対立の深刻化、海外経済の減速の動き、コロナウイルス感染拡大の影響など不透明感を強めながら推移しておりますが、当社グループでは、中期的な業績目標として設定した連結売上高130,000百万円、連結営業利益7,800百万円(連結営業利益率6.0%)を引き続き目指してまいります。なお、中期的な経営戦略および課題の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営戦略等ならびに優先的に対処すべき経営上および財務上の課題」をご参照ください。

 

 

当連結会計年度

(2019年度)

中期業績目標

連結売上高

909億円

1,300億円

連結営業利益

12億円

78億円

連結営業利益率

1.3%

6.0%

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

(4) 資本の財源および資金の流動性に係る情報

当社グループにおける主な資金需要は、製品製造に使用する原材料や部品の調達、製造費用、販売費用のほか、将来の事業基盤確立に向けた研究開発やM&A、安定した生産体制構築のための設備投資などであります。これらの必要資金は、原則として利益の計上及び減価償却費等から生み出される内部資金から充当することとしております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成に際しては、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用並びに、資産・負債及び収益・費用の見積りが必要となります。
 固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行うにあたっては、新型コロナウィルス感染症拡大の影響が一定期間にわたり続くとの仮定のもと、現時点で入手可能な情報等により将来の不確実性を反映した事業計画を策定しています。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第一部[企業情報]第5[経理の状況] (1)[連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
 

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