当社グループ(当社及び連結子会社)は、各製品の競争力強化や今後の事業拡大に繋がる研究開発を推進している。
各セグメント等の主な研究開発の状況及び費用は次のとおりであり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額で
(1) エナジー
2050年までのカーボンニュートラル社会の実現、低コストでのエネルギーの安定供給といった多様化する社会課題を解決するべく、これまで培った技術を駆使して、革新的で付加価値の高い製品やサービスの開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は
・脱炭素社会に向けた、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトへの参画によるCO2を排出しない水素ガスタービン、運搬や貯蔵に優れたアンモニアを燃料とするアンモニアガスタービンの開発
・水の電気分解やメタンガスの熱分解等、次世代水素製造技術の開発と、それらの技術を用いた水素製造から水素ガスタービンによる発電までの実証
・低炭素・脱炭素社会に向けた、グリーンイノベーション基金事業への参画によるアンモニア専焼バーナの開発、ボイラでのアンモニア高混焼の社会実装に係る開発
・持続可能な代替航空燃料のサプライチェーン構築に向けた、NEDOプロジェクトへの参画による木質系バイオマスから液体燃料を合成するためのガス化技術の商用化に向けた開発
・地震・津波・テロへの高い耐性と革新技術の採用による世界最高水準の安全性を有し、出力調整機能を強化して系統安定化にも対応する革新型軽水炉と、社会の多様化するニーズを見据えた高温ガス炉、高速炉及びマイクロ炉の開発
(2) プラント・インフラ
市場・需要の多様化に対応した製品固有の研究開発を行うとともに、IoTを含む最新かつ高度な先進技術の幅広い製品への適用に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は
・最適燃焼プロセス及び最適ストーカー構造により、ごみ焼却施設の高燃焼効率化及び長寿命化を実現する次世代ストーカー炉の開発
・顧客である飲料メーカーでのランニングコストと工場設置面積を低減して、生産効率を上げる新型無菌充填機(プリフォーム殺菌)の開発
(3) 物流・冷熱・ドライブシステム
量産技術の情報共有と製品共通技術の統一により製品間でのシナジーを創出し、省エネ・省人化・脱炭素化等市場のニーズに対応した付加価値の高い製品開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は
・低炭素・脱炭素社会に向けた、水素の燃焼研究及びCO2を排出しない水素専焼エンジンの開発と、都市ガスに水素を混合した水素混焼エンジンの開発
・未利用エネルギーである地中熱を有効活用して地球環境保護と省エネルギー性に貢献する帯水層蓄熱システムの開発
・優れた環境性能と低燃費を両立するとともに業界トップクラスの作業性能を実現し、高い安全性をも確保した小型エンジン式フォークリフト統合モデルの開発
(4) 航空・防衛・宇宙
日本のリーディングカンパニーとして、長年にわたり航空・防衛・宇宙開発で培った技術を駆使して、最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は
・「三菱スペースジェット」に関する、型式証明文書作成プロセスの継続及び事業環境の整備に向けた活動
・低コストで高い信頼性を有する「H3ロケット」の開発
・軽量機体の普及による航空輸送のCO2削減に貢献する、次世代民間機への複合材構造の適用拡大を目指した軽量化・生産高レート化・複雑形状化技術の開発
・無人機及びAI技術を活用した監視システムの開発
・重要インフラの制御システム向け等のサイバーセキュリティ技術の開発
・衛星データをAI技術で解析して災害救助等に貢献する広域状況把握技術の開発
(5) その他・共通
当社グループ次期製品の市場競争力確保のために必要となるキー技術や、次期・次世代の製品開発に必要かつ複数製品の共通基盤となるプラットフォーム技術の開発に取り組んでいる。
「その他・共通」に係る研究開発費は16,734百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・脱炭素社会に向けた水素専焼・アンモニア専焼発電技術の開発
・物流の知能化に向けた大規模最適化に関する高速計算技術の開発
お知らせ