事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

当社グループでは、組織目標の達成を阻害する要因、あるいは事業の継続に影響を与えうる要因をリスクとして識別し、分析、評価、対応を行うPDCAサイクルを回すため、各種委員会を立上げております。機密情報および情報セキュリティに関するリスクには情報セキュリティ委員会、不正リスクには企業倫理委員会、内部統制やガバナンスには内部統制委員会など、各種委員会によりリスクアセスメントを行い、リスクの低減や回避などの適切な措置を図っております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要な得意先に関するリスク

当社グループにおきましては、自動車等車両部品が連結売上高の大半を占め、なかでもトヨタ自動車株式会社向けの依存度が高く、同社の生産動向・購買政策などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 資材調達に関するリスク

 生産に必要な資材の調達につきましては、品質・コストの維持・改善を図りつつ安定調達の確保に努めておりますが、需給の状況などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外事業展開に関するリスク

 海外生産拠点の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など各国における諸事情の変化や、為替・金利などの市場動向により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループはロシア・ウクライナに拠点を有しておらず、同地域向けの事業も展開しておりませんので、現時点で当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性は低いと考えております。

(4) 製品の欠陥に関するリスク

 当社グループは製品の品質の確保・向上に努めておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、品質の確保・向上に努めております。

(5) 電動化に関するリスク

 自動車業界は100年に一度の変革期を迎え、既存のエンジン搭載車から電気自動車への切り替えなど、電動化への動きが急速に進んでおります。その対応の遅れは、当社グループにとって既存・新規ビジネスの機会を逸することになり、当社グループの経営状態及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このような環境のなか、当社グループとしては、CAEを含む技術開発力を活用したエリア開発によるボデー系部品の付加価値向上、複雑・大型部品へ対応したボデー系部品・外販設備事業の拡大、排気系部品の標準化・スリム開発による成熟市場(エンジン搭載車)でのシェア向上、新規事業への取組みを推進してまいります。

(6) 為替・金利変動に関するリスク

 当社グループの海外売上高は全体の売上高の約半分を占めており、円換算後の価値が変動するなど為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業容の拡大に伴い借入調達を行っておりますが、金利変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、為替予約の締結や変動金利から固定金利へのスワップ等を通じて、為替・金利変動リスクを低減しております。

(7) コンプライアンスに関するリスク

 当社グループにおけるコンプライアンスとは、「法令遵守はもとより、社会の構成員たる企業人として求められる価値観・倫理観をもって誠実に行動すること。それを通じて公正かつ適切な経営を実現し、市民社会との調和を図り、企業を創造的に発展させていくこと。環境問題を重視し、自らが行動を起こし、環境の保全に努めること。」を定めております。当社グループは、企業の社会的責任と公共的使命を自覚し、高い倫理観を持って企業活動を行い、社会的責任を果たし、また、国内外の文化・習慣を尊重し、環境保全に努め、地域とともに成長し、地域に喜ばれる企業であるよう様々な活動を展開しております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティに関するリスク

 当社グループでは、機密情報の保護・管理のため、フタバセキュリティガイドラインを策定し、従業員への機密管理意識の徹底を図っています。また、年々高度化しているサイバー攻撃に備え、サイバー保険を付保しております。しかしながら、情報セキュリティ上のリスクを完全には回避できない可能性があり、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 自然災害等に関するリスク

 当社グループでは、発生が予想されている東海地震の震災リスクに注目し、人命第一をベースとした一刻も早い復旧に向けた事業継続計画(BCP)活動に取り組んでおります。緊急地震速報や安否確認システムの導入、避難経路の安全確保や建屋の耐震補強、設備の転倒・落下防止対策など、防災・減災の取り組みとともに、有事に力を発揮できる要員確保に向けた人材教育や、想定被害からの早期復旧に向けた事業継続計画(BCP)を策定しております。また、岡崎市との間で災害時の施設協力の協定を締結しております。しかしながら、大地震や気候変動に伴う大型台風、洪水等の自然災害等により、サプライチェーン、製品供給に大きな支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 固定資産の減損に関するリスク

当社グループは生産活動に使用する固定資産を多額に保有しておりますが、これら固定資産は事業採算の悪化などにより、投下資本の回収リスクを負っており、合理的な基準に基づく固定資産の減損処理を行っております。将来、事業採算悪化により更なる減損処理を行うことがあり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 税効果の変動に関するリスク

 当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積りに変動があることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 退職給付債務に関するリスク

 当社グループでは、退職給付制度を採用しておりますが、退職給付費用及び債務は数理計算上の前提条件、期待収益率により算出されており、実際の結果との相違、前提条件の変更により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関するリスク

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により依然として厳しい状況が続いているものの、各セグメントにおいて景気は持ち直しの動きがみられます。しかしながら、中国における外出制限が続くなど、新型コロナウイルス感染症の収束の時期は未だ不透明であり、経済活動への影響を予測できない状況となっております。このため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による稼働調整や操業停止の影響により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

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