業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度は引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、当社グループの事業環境は改善し、売上高は19,193百万円(前連結会計年度比2,454百万円増、同14.7%増)、営業利益2,661百万円(前連結会計年度比492百万円増、同22.7%増)、経常利益2,591百万円(前連結会計年度比465百万円増、同21.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,135百万円(前連結会計年度比471百万円増、同28.3%増)となりました。

日本国内では新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の制約はありましたが、医療体制の機能が徐々に回復したことに加え既存顧客との良好な関係を維持したことで症例数が増加した結果、売上高は12,409百万円(前連結会計年度比1,345百万円増、同12.2%増)となりました。また、米国でも第2四半期以降、新型コロナウイルス感染症の再拡大により予定していた手術が再び延期されましたが、新規顧客の獲得等に努めた結果、米国の外部顧客への売上高(USドル)は前連結会計年度比17.2%増、円換算後は24.6%増の7,070百万円となりました。

人工関節分野は、米国の人工膝関節製品等の売上が回復し、日本国内及び米国の売上高合計は前連結会計年度比17.0%増(日本7.3%増、米国24.5%増)の11,764百万円となりました。

骨接合材料分野は、「ASULOCK」及び「Prima Hip Screw」の売上が堅調に推移したことなどから、日本国内の売上高は前連結会計年度比11.3%増の4,115百万円となりました。

脊椎固定器具分野は、日本国内において「KMC Kyphoplasty システム」の売上が引き続き順調に推移したことから、日本国内及び米国の売上高合計は前連結会計年度比21.4%増の3,151百万円となりました。

売上原価は、為替変動の影響などにより、売上原価率が32.3%(前連結会計年度は31.8%)となりました。

販売費及び一般管理費合計は、米国売上の増加に伴い支払手数料(コミッション・ロイヤリティ)が増加したこと、体制強化に伴う人件費等が増加したことにより、全体で10,327百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりましたが、売上高販管費率は53.8%(前連結会計年度は55.3%)に低下しました。

営業利益は、売上高の増加等により、2,661百万円(前連結会計年度比22.7%増)となりました。

経常利益は、受取手数料11百万円など営業外収益を23百万円計上し、為替差損35百万円、支払利息29百万円など営業外費用を93百万円計上した結果、2,591百万円(前連結会計年度比21.9%増)となりました。

特別損益は、米国で発生した債務免除益310百万円を特別利益に、また医療工具などの固定資産除却損87百万円など152百万円を特別損失に計上しました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,135百万円(前連結会計年度比28.3%増)となりました。

なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しておりますが、上記の各製品分野(人工関節分野、骨接合材料分野、脊椎固定器具分野)に記載の各売上高は当該会計基準等を適用する前の数値となっております。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

日 本・・・・  売上高は、全ての分野で売上高が増加し、特に骨接合材料分野及び脊椎固定器具分野が順調に推移しました。また、給与手当や、営業活動の回復に伴い広告宣伝費等が増加したことから、販売費及び一般管理費も増加しました。

         その結果、当セグメントの売上高は12,122百万円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益は1,844百万円(前連結会計年度比32.6%増)となりました。

 

米 国・・・・  売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの人工関節分野の外部顧客への売上が増加に転じました。また、支払手数料(主にコミッション)や給与手当の増加により、販管費及び一般管理費も増加しました。

          その結果、内部売上高を含んだ当セグメントの売上高は10,868百万円(前連結会計年度比17.4%増)、営業利益は839百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。

 

 

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,149百万円増加し、27,342百万円となりました。主な増加は、受取手形、売掛金及び契約資産(前期は受取手形及び売掛金)734百万円、商品及び製品619百万円、工具器具備品265百万円で、主な減少は、繰延税金資産115百万円であります。

負債合計につきましては、前連結会計年度末と比べ628百万円減少し、5,851百万円となりました。主な増加は、買掛金201百万円で、主な減少は、短期借入金441百万円、長期借入金773百万円であります。

また、当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)から現金及び預金を控除した純有利子負債は△742百万円であります。

純資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,777百万円増加し、21,491百万円となりました。主な増加は、利益剰余金1,844百万円、為替換算調整勘定876百万円であります。

その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は78.2%(前連結会計年度末は73.9%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ124百万円増加し、2,590百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは3,111百万円の収入(前連結会計年度は2,599百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益2,749百万円、減価償却費1,420百万円、支出の主な内訳は売上債権の増加額662百万円、債務免除益310百万円、法人税等の支払額474百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,750百万円の支出(前連結会計年度は1,345百万円の支出)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出1,538百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1,287百万円の支出(前連結会計年度は1,313百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出595百万円、短期借入金の純減少額369百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

 (イ)生産実績

前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称及び品目

前連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)

金額 (千円)

金額 (千円)

医療機器類

日本

 

154,296

181,536

 

人工関節

 

50,221

79,166

 

骨接合材料

 

78,935

86,862

 

その他

 

25,139

15,507

米国

 

4,677,053

6,076,163

 

人工関節

 

3,283,913

4,448,683

 

骨接合材料

 

684,835

894,347

 

脊椎固定器具

 

683,086

698,689

 

その他

 

25,218

34,442

合計

 

4,831,350

6,257,700

 

  (注) 上記金額は製造原価により、製品の再加工等が含まれております。

 

 (ロ)受注実績

当社グループでは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

 (ハ)販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称及び品目

前連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)

金額 (千円)

金額 (千円)

医療機器類

日本

 

11,063,924

12,409,054

 

人工関節

 

4,399,463

4,719,849

 

骨接合材料

 

3,697,557

4,115,991

 

脊椎固定器具

 

2,578,794

3,125,154

 

人工骨

 

213,767

216,168

 

その他

 

174,341

231,891

米国

 

5,674,250

7,070,875

 

人工関節

 

5,657,012

7,044,691

 

脊椎固定器具

 

17,237

26,184

小計 (A)

 

16,738,174

19,479,930

売上控除 (B)

 

△286,832

合計 (A)+(B)

 

16,738,174

19,193,098

 

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 2 当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、従来、日本において販売促進費の一部として計上していたリベートを売上高から控除しております。当該控除額は品目別に合理的に按分できないため、上表では一括で「売上控除」として表示しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 当連結会計年度の財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

なお、上記会計上の見積もり及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務相表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」をご参照ください。

 

④ 当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性の分析

財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、主に金融機関からの借入金により資金調達を行っております。
 資金需要につきましては、運転資金として、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用があります。また、設備資金として、主に医療工具類の取得があります。

 

(3) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。

 

 

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