課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」ことを経営理念としており、この理念に基づき、「顧客」、「社員」、「株主」、「社会」への責任を明確にした行動指針のもとに事業活動を営んでおります。

また、創業以来、もの作りに情熱を捧げるメーカーとして、法人から個人までの幅広いニーズを捉え、顧客満足を追求した商品開発とサービスの提供を行ってまいりました。今後も、「快適な情報活用環境を創造する」ことを企業ドメインとして、積極的に活動してまいります。具体的な経営方針は以下のとおりであります。

①当社は、「テプラ」を中心とした電子製品と事務用・個人用のファイルを中心としたステーショナリーの2本立ての事業を今後も拡大し、さらなる成長を目指します。

②企業ドメインをもとに新たな事業開発を進め、今後のさらなる収益力向上に努めます。

③当社は、環境に優しい製品設計・生産から企業経営全般に至るまで、環境保全を経営の重要課題として位置付けております。

④当社グループとして、コンプライアンスとCSRを重視した企業経営を行います。

 

(2) 経営環境

当社グループを取り巻く経営環境としては、文具事務用品事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による働き方・暮らし方の変化によってペーパーレス化、デジタル化が進行する中、ファイル依存の収益構造からの脱却が課題となっております。

インテリアライフスタイル事業においては、㈱ぼん家具と㈱ラドンナ、㈱アスカ商会がテレワーク需要の高まりやEC市場の伸長により、業績を伸ばしております。さらにM&Aにより事業の拡大にも継続的に取り組んでおり、2021年11月にグループ入りした生活家電・雑貨・ルームフレグランス等の企画・販売等のライフオンプロダクツ㈱が当連結会計年度より当社の連結業績に寄与しております。

新型コロナウイルス感染症の先行きは、依然として不透明なところもありますが、在宅勤務等のテレワークといった新しい働き方によるオフィス市場の変化や、新しい生活様式による巣ごもり需要といった個人の消費活動の変化は今後も続くと予想されます。

このような環境のもと、当社グループは第10次中期経営計画の達成に向けて、課題に取り組んでまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、2024年6月期を最終年度とする第10次中期経営計画において、売上高 480億円、経常利益 34億円、経常利益率 7.0%、自己資本当期純利益率(ROE) 9.0%を目標としております。

 

 

(4) 会社の中長期的な経営戦略と対処すべき課題

当社の経営理念およびサステナビリティ(持続可能性)の考え方に基づき、ESGの観点から当社の事業活動と社会課題の関連性が高い4つの項目、「独創的な商品の開発による社会貢献」「環境への配慮」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの充実」をマテリアリティ(重要課題)として特定しております。マテリアリティ(重要課題)の解決を通して、持続可能な社会の実現と更なる企業価値の向上を目指してまいります。

新型コロナウイルス感染症の影響によって生じた事業環境の変化は、今後も継続すると予想されます。ペーパーレス化・デジタル化が進行する中、ファイル依存の収益構造から脱却を図る一方で、新しい働き方・暮らし方やEC市場の拡大を事業成長の機会ととらえております。

当中期経営計画期間(2022年6月期から2024年6月期)において、当社グループが保有している柔軟な開発体制と独創的で多彩な商品群、多様な販売チャネルといった経営資源を最大限に活用し、グループ経営を推進することで、アフターコロナに向けて経営基盤を固め、持続的な成長を目指します。方針として「成長分野への注力」と「基盤事業の更なる強化」を掲げ、以下の施策を実行いたします。また、サステナブル(持続可能)な社会の実現を重点目標として、ESGの取り組みを進めてまいります

 

① 成長分野への注力

 「衛生・健康用品」においては、新型コロナウイルス感染症拡大で激変した新しい生活様式に対応した製品の企画・開発を積極的に行います。「オフィス・生活環境用品」は、テレワーク・おうち時間向けに当社のブランド力、営業力、調達・開発力を活かして新たな商品ラインアップを市場に提供してまいります。「デジタル文具」については、ワークスタイルの変化に合わせて、当社独自の発想に基づく新製品の拡充により、新たな顧客の獲得と市場の創造を目指します。「女子文具」は、ステーショナリーの領域にとどまらず、雑貨を含めてより広い商品展開を行い、ターゲット層への訴求を高めてまいります。「インテリアライフスタイル事業」に関しては、㈱ぼん家具・㈱ラドンナ・㈱アスカ商会、および2021年11月よりグループ入りしたライフオンプロダクツ㈱において更なるグループシナジーを発揮し、事業の成長スピードを加速させます。「海外事業」は、アジア市場に加え、欧米の市場にもこれまで以上に力を入れることとし、Japan Qualityのキッチン家電や女子文具のグローバル展開を図ります。「EC事業」は今後も成長が見込まれる市場であり、効果的なマーケティングや取扱品目の増加により売上の飛躍的な拡大を目指します。

 また、「M&A」を事業領域拡大の重要な手段と考えており、積極的な投資により事業ポートフォリオを拡充してまいります。

 

② 基盤事業の更なる強化

 「テプラ」については、ラベリング需要の掘り起こしにより、今までテプラを使っていなかった層の獲得に取り組み、市場・チャネルの開拓に努めます。「ステーショナリー」に関しては、既存カテゴリーの強化と新規カテゴリーへの参入を両輪で進めるとともに、生産系海外グループ会社において文具以外の生産技術を導入し、生産品目を拡大して商品展開を広げてまいります。

 

当社グループは、サステナビリティ(持続可能性)の向上を推進するため、「キングジムグループ サステナビリティ基本方針」を策定いたしました。この基本方針に基づき、仕事と暮らしを便利で快適にする商品・サービスを通じて、社会に貢献し、それらの商品について地球環境に配慮した調達・設計・開発を行います。また、多様な人材が自分らしく働くことのできる職場環境や健全なガバナンスの構築により一層取り組んでまいります。

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