文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループでは、当連結会計年度より、報告セグメント区分「不動産事業」の名称を「商業施設事業」へと変更しております。また、従来、「その他事業」に含まれていた株式会社阪急キッチンエール関西、株式会社エブリデイ・ドット・コム、有限会社阪急泉南グリーンファームは「食品事業」に、株式会社大井開発は「商業施設事業」に移管しております。なお、「その他事業」に含まれていた株式会社阪急B&Cプランニング及び株式会社阪急フレッズは2021年4月1日付で「食品事業」である株式会社阪急ベーカリーへ吸収合併されております。変更後の報告セグメント区分に組み替えた前年実績に基づき、前期比を表示しております。
また、2021年12月15日付の株式会社関西スーパーマーケット(※1)との株式交換による経営統合に伴い、株式会社関西フードマーケット、株式会社関西スーパーマーケット及び株式会社KSPの3社を「食品事業」に含めており、この3社の当第4四半期連結会計期間の経営成績が連結業績に反映されています。
(1)連結財務諸表に特に重要な影響を与える会計上の見積り
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の金額に影響を与える様々な見積りを行っております。
これらの会計上の見積りの中で、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると判断した項目に関しては、連結財務諸表の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しており、また、会計上の見積り全般に共通する事項として、新型コロナウイルス感染症による影響をどのような仮定を置いてこれらの見積りに反映させたかについては、連結財務諸表の「注記事項(追加情報)」に記載しております。
連結経営成績
(単位:百万円)
※1.2022年3月期の実績値は変更前の報告セグメント区分に基づく数値を記載しております。
※2.当連結会計年度の期首より収益認識に関する会計基準を適用し、消化仕入契約に基づく売上高等の計上
方法を変更しております。売上高に大きな影響が生じるため前年比及び前年増減は記載しておりません。
なお、会計方針の変更による影響を除外した前期までの売上高に相当する数値を総額売上高として記載し
ております。
>売上高
当社グループの売上高は、当期首より新収益認識基準を適用し、消化仕入契約に基づく売上高等の計上方法を変更した結果、売上高は518,447百万円となりました。一方、これら会計処理方針の変更による影響を除外した前期までの売上高に相当する「総額売上高」では788,108百万円となり、緊急事態宣言を受けた店舗の休業等が前期に引き続き発生したものの、実質ベースでは前期比106.6%と増収となりました。
>営業利益及び経常利益
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、前期よりも売上高が回復したことから、営業利益は740百万円(前期は営業損失4,438百万円)となりました。経常利益は2,346百万円(前期は経常損失2,907百万円)となりました。
(百貨店事業)
2021年4月下旬に、緊急事態宣言が発令され、阪急・阪神の両本店を含む店舗における全館休業及び生活必需品売場のみの縮小営業を実施いたしました(両本店を含む大阪府下4店舗で43日間、兵庫県下6店舗で29日間など)。8月には、緊急事態宣言が再度発令され、催事などの営業自粛、食品売り場への入店制限を実施いたしました。10月以降、外出機会や対面のコミュニケーションシーンの増加に伴い、ファッションやギフトのニーズが高まりましたが、2022年1月には、再度の感染拡大に伴い、シニア層、ファミリー層を中心に来店が減少するなど、年度を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を受けました。
建て替え工事を続けていた阪神梅田本店は、2021年10月8日に先行オープン、12月8日に1階から9階がフルオープンいたしました(2022年4月6日に地下食品売り場を含むグランドオープン)。外食・中食・内食のあらゆるシーンへの提案を強化し、4フロアに展開を拡大した食を中心として新たな体験価値に対するお客様の反応は高く、幅広い顧客層の来店につながりました。
以上の結果、総額売上高は385,095百万円(前期比110.7%)、営業利益は939百万円(前期は営業損失1,903百万円)となりました。なお、株式会社阪急阪神百貨店において、休業期間中の人件費や家賃、償却費など3,819百万円を特別損失に計上いたしました。
(食品事業)
食品事業は、総額売上高が327,205百万円(前期比111.8%)、営業利益は5,326百万円(前期比130.3%)となりました。
イズミヤ株式会社は、スーパーセンター内の食品部門の取り込みで増収となりましたが、既存店での前年の巣ごもり需要の反動による売上減(既存店売上高前年同期比97.3%)と、コスト増で減益となりました。イズミヤ各店では、創業100周年を迎え、「感謝」と「つながり」をテーマに、記念商品の販売や地域と連携した記念イベントの実施などを行いました。また、八尾店や八幡店などスーパーセンター業態のショッピングセンター型転換の改装を実施したことから、工事期間中の休業影響などがありましたが、新型コロナウイルス感染症再拡大に伴い、小商圏型の店舗が堅調に推移しました。販売費及び一般管理費については、キャッシュレス決済比率の増加による販売手数料が増加しました。
株式会社阪急オアシスは減収となったものの、売上総利益率の改善により、増益となりました。高利益体質への転換を基本方針として掲げ、マーケット対応力の強化などに取り組み、既存店売上高前年同期比は99.5%(客数99.9%、客単価99.5%)となりました。客数は前年並みとなりましたが、1回あたりの買上げ点数減少により客単価が前年をやや下回りました。今期は2021年4月に神戸三宮店(兵庫県神戸市)、2022年3月大淀南店(大阪府大阪市)を新規出店するとともに、商圏ニーズの変化に対応したMD変更や百貨店で取り扱うデパ地下スイーツギフトの導入など4店舗の改装を実施しました。販売費及び一般管理費については、消耗品の仕入れ単価の見直しなど抑制に取組み、前年実績を下回りました。
関西スーパー事業(※2)の第4四半期(2022年1月~3月)における売上高は31,042百万円、営業利益は1,391百万円となりました。関西スーパー事業においては、お客様、従業員、地域とともに環境問題への取組みや社会貢献を通じて問題解決を行う「トータルソリューション型スーパーマーケット」の実現に取り組みました。通期の既存店売上高前年同期比は100.1%(客数101.5%、客単価98.7%)となりました。前期のコロナ禍における内食需要の高まりなどによる伸長が一巡しましたが、旗艦店である中央店の商品ラインナップなどを導入する「中央店型モデル」への改装を実施した店舗が好調に推移したことなどにより、既存店売上高は前年実績を上回りました。今期は、高石駅前店(大阪府高石市)、佐井寺店(大阪府吹田市)、鴻池店(兵庫県伊丹市)の3店舗の改装を実施しました。販売費及び一般管理費は、経営統合手続きに係る費用の計上があったものの、消耗品費、広告宣伝費、修繕費などの抑制により、総額では減少いたしました。
食品製造子会社は、卸先の食品スーパー各社で総菜やベーカリーの需要が回復したことから増益となりました。
(商業施設事業)
商業施設事業は、総額売上高42,879百万円(前期比65.9%)、営業利益391百万円(前期は営業損失757百万円)となりました。イズミヤ店舗における衣料品・住居関連品販売及びテナント管理を行う株式会社エイチ・ツー・オー商業開発において、直営売り場の縮小により大幅な減収となったものの、コスト削減・テナント化というSC化推進が順調に進捗し、増益となりました。ビジネスホテルを運営する株式会社大井開発では、稼働率の改善に加えて、コスト削減を進めたことから、増収増益となりました。
(その他事業)
その他事業は、総額売上高32,928百万円(前期比97.9%)、営業損失3,409百万円(前期は営業損失1,516百万円)となりました。専門店子会社において、前年よりも休業店舗数・期間が縮小したことなどから増収となるなど、持株会社である当社を除いたその他事業の子会社で、1,477百万円の増益となりました。しかしながら、持株会社である当社において、他の事業セグメントの子会社からの受取配当金が減少したことなどにより、その他事業としては減益となりました。
>親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産売却益13,632百万円や投資有価証券売却益6,485百万円、株式会社関西スーパーマーケット(※1)との経営統合に伴う負ののれん発生益3,427百万円など特別利益を27,032百万円計上した一方で、新型コロナウイルス感染症による損失4,253百万円、店舗等閉鎖損失2,530百万円など特別損失を合計13,792百万円計上しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9,872百万円(前期は当期純損失24,791百万円)となりました。
※1. 2022年2月1日付で、株式会社関西スーパーマーケットは株式会社関西フードマーケットに、KS分割準備株式会社は株式会社関西スーパーマーケットに商号変更を行っております。
※2.下記の3社の各期間の業績からなる連結数値(収益認識に関する会計基準適用前)
2022年1月1日~2022年1月31日の株式会社関西スーパーマーケット(現・株式会社関西フードマーケット)
2022年2月1日~2022年3月31日の株式会社関西スーパーマーケット(KS分割準備株式会社から商号変更)
2022年1月1日~2022年3月31日の株式会社KSP
(単位:百万円)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績の状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.「その他事業」に含まれていた株式会社阪急B&Cプランニング及び株式会社阪急フレッズは2021年4月1日付で「食品事業」である株式会社阪急ベーカリーへ吸収合併されております。なお、前期比は、前連結会計年度の実績を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値を記載しております。
3.2021年12月15日付の株式会社関西スーパーマーケットとの株式交換による経営統合に伴い、株式会社KSPの2022年1月1日から2022年3月31日までの期間の生産実績が含まれております。
4.上記以外のセグメントについては、該当事項はありません。
当連結会計年度における該当事項はありません。
なお、食品事業(食料品製造業)については、過去の販売実績に基づいて見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績の状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度より、報告セグメント区分「不動産事業」の名称を「商業施設事業」へと変更しております。従来、「その他事業」に含まれていた株式会社阪急キッチンエール関西、株式会社エブリデイ・ドット・コム、有限会社阪急泉南グリーンファームを「食品事業」に、株式会社大井開発を「商業施設事業」にそれぞれ移管しております。「その他事業」に含まれていた株式会社阪急B&Cプランニング及び株式会社阪急フレッズは2021年4月1日付で「食品事業」である株式会社阪急ベーカリーへ吸収合併されております。なお、前期比は、前連結会計年度の実績を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値を記載しております。
また、2021年12月15日付の株式会社関西スーパーマーケットとの株式交換による経営統合に伴い、株式会社関西スーパーマーケット(※)、株式会社KSP及びKS分割準備株式会社(※)の3社を「食品事業」に含めております。
2.事業セグメントで代理人取引として純額表示した外部顧客への売上高のうち連結決算では本人取引となる取引(セグメント間での消化仕入契約に基づく取引)の外部顧客への売上高を連結損益計算書で総額表示に組替えるための調整額であります。
3.会計方針の変更による影響を除外した前期までの売上高に相当する「総額売上高」を、会計方針の変更を反映した売上高に組み替えております。売上高に大きな影響が生じるため、前期比は記載しておりません。
※ 2022年2月1日付で、株式会社関西スーパーマーケットは株式会社関西フードマーケットに、KS分割準備株式会社は株式会社関西スーパーマーケットに商号変更を行っております。
(3)財政状態
(単位:百万円)
今年度期末の資産合計は654,558百万円となり、前年度期末に比べて28,613百万円の増加となりました。これは主に、投資有価証券が売却などにより10,516百万円減少した一方、株式会社関西スーパーマーケットとの経営統合などにより有形固定資産が39,859百万円増加したことなどによるものです。
負債合計は393,620百万円となり、前年度期末に比べて3,047百万円の減少となりました。これは主に、借入金及び社債が13,165百万円減少したことなどによるものです。
純資産合計は260,938百万円となり、前年度期末に比べて31,660百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が7,233百万円、経営統合に伴い非支配株主持分が22,920百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
なお、当連結会計年度において、ROE(自己資本当期純利益率)が4.2%(前連結会計年度 △10.5%)、ROA(総資産経常利益率)が0.4%(前連結会計年度 △0.5%)、ROIC(投下資本利益率)が0.1%(前連結会計年度 △0.8%)と、資本効率性・資産効率性を示す指標はいずれも好転しました。
(4)キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当連結会計年度の「現金及び現金同等物の期末残高」は、33,174百万円(前期末比16,817百万円減)となりました。うち、株式交換による現金及び現金同等物の増加額が9,736百万円です。
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,465百万円の収入(前期比6,289百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、阪神梅田本店の建て替え工事に伴う有形固定資産の取得や、保有不動産・投資有価証券の売却などにより、5,203百万円の支出(前期比15,557百万円の支出減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済などにより、28,578百万円の支出(前期は31,859百万円の収入)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
※1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
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