事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

 当社は、事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として、以下を認識しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存ですが、必ずしも確実にリスクの回避や十分な対応が実現される保証がないことに留意する必要があります。

 

(1) MUFGグループとの連携について

 当社は、MUFGグループのリテール分野におけるネット金融商品取引事業の抜本的強化と総合ネット金融サービスの拡充を図るべく、2007年6月にMUFGの連結子会社となりました。更に、MUFGグループにおける金融商品取引事業の一層の成長やシナジー最大化を目的に、2015年4月1日をもって、株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)から三菱UFJ証券ホールディングス株式会社に当社株式の一部が譲渡された結果、当社は三菱UFJ証券ホールディングス株式会社の連結子会社にもなりました。
 当社は、三菱UFJ証券ホールディングス株式会社の子会社である三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社や株式会社三菱UFJ銀行を始めとするMUFGグループ各社との「グループ顧客基盤の活用」、「グループ内での商品・サービスの相互提供」、「当社コンピューターシステムを活用した新ビジネス展開」等により、MUFGグループの証券戦略におけるネットリテールビジネスの中核会社として、国内資本市場におけるプレゼンスの向上を図るとともに、収益力を拡大・多様化することで、更なる企業価値の向上を目指してまいりますが、今後、MUFGグループの当社に対する方針に変更があった場合には、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 顧客情報漏洩等に対するセキュリティについて

 当社は、顧客情報漏洩等に対するセキュリティの確保を重要な経営課題と認識し、数々の対策を施しています。しかしながら、今後、何らかの原因により、当社又は外部の業務委託先からの顧客情報漏洩等、情報セキュリティに関する事故が発生することがあり得ます。当社は、情報セキュリティ管理に関する国際規格に基づく手順に従い、迅速な連絡と二次災害の防止、安全かつ迅速な復旧を行うための社内態勢の整備及び役職員のセキュリティ意識高揚のための継続的な研修をおこなっておりますが、顧客情報を含めたデータの漏洩等が発生した場合には、結果として損害賠償責任を負うことがあり、また信用の失墜により当社の経営成績に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) コンピューターシステム障害について

 当社は、コンピューターシステム障害の防止・対応を重要な経営課題と認識し、システム障害の未然防止や万が一障害が発生した場合の復旧時間短縮のための管理態勢の構築、マルウェア感染やDDoS攻撃などのサイバー攻撃に対するお客様・業務・システム等への影響を最小限にとどめるための対応方針の策定など、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかしながら、何らかの不測要因により、大規模なコンピューターシステム障害が発生した場合においては、当社の取扱う商品の売買取引が停止することによる機会損失、当社の評判及び企業イメージの低下による顧客喪失、並びにサービス品質保証制度※に基づく差損金の発生による損害賠償義務の負担等により、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があり、またシステム障害の規模によっては事業継続に支障を来す可能性があります。

※当社では、国内金融取引所に上場する「株式(現物、信用)」、「先物・オプション」、「ETF・ETN・REITなど」の全委託注文(訂正・取消、各種自動売買含む)の取次時間が原則5分を超えて遅延しないことを保障するSLA(サービス品質保証制度)を導入しております。

 

(4) 大規模災害や電力不足について

 当社は、コンピューターシステムの長期停止時に加え、大規模災害(地震、パンデミック等)発生時や電力不足などに起因する長時間停電時などに対応する事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の整備・拡充に努め、事業継続に関する国際規格に則ったマネジメントシステムの構築、システムセンターを長時間稼働可能な自家発電設備のある施設に設置、システムセンターでの緊急時本社機能業務遂行インフラの構築、福岡システムセンターでの災害時サイトの構築などを行っております。しかしながら、大規模災害の規模、電力不足に伴う停電時間などが、これら施策に伴い可能となっている当社の災害時対応能力の限界を超えた場合などには、当社業務又はサービス提供の長時間停止を余儀なくされ、またその規模によっては事業継続に支障を来す可能性があります。

 

(5) 特定の事業への依存度が高いことについて

 当社は、当期において、株式委託手数料及び株式信用取引貸付金を主な収益源とする金融収支が当社の純営業収益全体の79.1%を占めております。ASP、API、ネット金融商品仲介、システム販売収支からなるBtoBtoC業務という新たな収益源の構築や商品の多様化を目指しておりますが、株式市況低迷等によりネットを通じた個人株式売買代金や信用取引建玉残高が減少した場合、株式売買委託業務に関連する諸経費が大幅に増加した場合、あるいはその他外部環境の変化等により当社が受託する株式売買等の取引仲介数量が減少した場合、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(6) 手数料等の競争について

 ネット証券業界における委託手数料等各種手数料、店頭外国為替証拠金取引等のスプレッド、信用取引の金利・貸株料など(以上総称して「手数料等」といいます。)の競争が激化した場合など、当社としても手数料等の更なる引下げを含む手数料等体系の見直しを行う可能性があり、かかる手数料等引下げを実施したにも係わらず取引シェアの拡大が達成できない場合には、利益率の低下を取引量の増加により補うことができず、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 法令遵守(コンプライアンス)について

 当社及び当社の役職員は、業務を遂行する上で、金融商品取引法をはじめとする各種法令諸規則を遵守する義務があります。そのため当社ではコンプライアンスに関する社内諸規則の整備及び継続的な役職員への研修等を行い、コンプライアンス態勢の強化に取り組んでおります。
 しかしながら、上記のようにコンプライアンス態勢及び内部管理態勢の強化を講じているにも関わらず、法令違反等が発生した場合には、行政官庁からの処分をはじめとする法的な制裁が課されるのみならず、当社の信頼及び評判の失墜を招き、結果として損失あるいは機会損失の発生を免れられず、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 与信リスクについて

 当社の信用取引残高は、2019年3月31日現在で2,993億円となっております。また昨今では、先物取引、オプション取引及び外国為替証拠金取引等のデリバティブ取引金額が増加しております。これらの取引に関し顧客から受入れる担保及び証拠金の管理は厳格に行っておりますが、建玉あるいは代用有価証券の価格が急激に変化した場合等には、多額の顧客立替金が発生する可能性があり、これらの立替金を十分に回収できない場合には、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
 また、当社は、外国金融機関やその国内子会社を含む金融商品取引業者と株式貸借取引や店頭外国為替証拠金取引のカバー取引を行っております。株式貸借取引につきましては適正な現金担保を授受し、店頭外国為替証拠金取引のカバー取引については毎営業日に清算・決済を実施しておりますが、何らかの理由でこれら金融商品取引業者が経営破綻した場合などには、当社がかかる金融商品取引業者に対し保持する債権額の全てを回収することができない可能性があり、その未回収金額の多寡によっては、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(9) 法的規制について

① 金融商品取引業登録について

当社は金融商品取引業を営むため、金融商品取引法第29条に基づく「金融商品取引業」の登録を内閣総理大臣より受けており、金融庁の監督のもと、金融商品取引法等の法令の規制を受けております。監督上の処分並びに監督命令の対象となる事項に該当した場合は、当社は登録やその他認可業務の取り消し、業務の全部又は一部の停止等の行政処分を命じられる可能性があります。

② 自己資本規制比率について

金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率維持の規制が課されており、同比率に関し120%を下回ることのないようにする必要があります。
 当社の2019年3月31日現在における自己資本規制比率は369.0%となっております。当社の自己資本規制比率は、主に固定化されていない自己資本の額、取引先リスク相当額又は基礎的リスク相当額の増減によって変動しており、今後の自己資本の増減や信用取引残高の増減の程度によっては、当社の自己資本規制比率は大きく低下する可能性があり、この場合には、資本性資金の調達を行わない限り、当社の経営に支障が生じることとなります。

③ 金融商品取引に関する法令諸規則の変更について

金融商品取引業を営むにあたっては、有価証券の空売り規制や外国為替証拠金取引のレバレッジ規制など、金融商品取引法及び関連法令に服する義務があります。また、当社は日本証券業協会及び社団法人金融先物取引業協会の会員として両協会の諸規則並びに当社が取引参加者となっている各金融商品取引所の諸規則にも服しております。当社の行っている業務に関係する法令諸規則の改定により、顧客管理、取引管理等に関する新たな規制が導入され、あるいは現存する規制が一層強化される可能性があり、かかる規制の導入、強化の内容によっては、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

④ その他の各種法令諸規制の変更について

 当社は上記①②③記載の法令諸規則の他、「金融商品の販売等に関する法律」、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」等の諸法令の規制を受けています。また、当社はMUFGの銀行法上の子会社であり、また、株式会社三菱UFJ銀行、及び株式会社じぶん銀行を所属銀行とした銀行代理業を行っていること、さらに2019年1月16日から電子決済等代行業を登録したことから、「銀行法」並びに関連法令の規制を受けています。これらの法令諸規則の改正・厳格化等により、当社の各種業務が影響を受ける場合があり、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

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