課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営の基本方針

当社は、グループ社員全員が共有し、共通の価値観としてすべての活動の基本となる考え方として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「経営理念」「グループ企業行動指標」「経営ビジョン」の3層から形成され、当社のミッション、行動指標、経営ビジョンを表しています。

 


 

中でも、長期経営ビジョンとしてGIFT+1 ( ギフトプラスワン ) を掲げ、+1 ( プラスワン ) は環境貢献・ESG経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族などのステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に「環境」を付加した活動を強力に推進するものです。

この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに、経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

紙パルプ産業の国内市場においては、IT技術の進化によってデジタル社会が出現し、紙の需要がいわゆるグラフィック系(新聞出版や商業印刷用途)からパッケージ系(包装資材用途)へと変化する傾向が強くなってきております。また、海外市場では、新興国を中心に家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大している他、包装資材用途の板紙製造設備が東南アジアを中心に稼働し、その原料である古紙の需要が高まってきております。一方、先進諸国では国内市場と同様にグラフィック系用紙の需要が減速する一方で、パッケージ系用紙の需要は堅調に推移しております。また、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、持続的な成長という観点からバイオマス由来の紙資源が注目されており、石油由来のプラスチックからバイオマス由来の紙への製品シフトが見られるようになってきております。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大継続による影響についてですが、世界経済は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が普及するにつれ制限が緩和され、国・地域や産業ごとにばらつきはあるものの、財政・金融政策の後押しもあり、景気の回復傾向は継続する見込みです。我が国におきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大防止策の浸透や、ワクチン接種の進捗により、景気は徐々に回復基調となることが見込まれますが、現状では感染拡大の収束時期が見通せず、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

国内市場においては経済活動の再開に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年度からは回復基調にあるものの、オフィス需要の減少やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言の再発令などによる観光・イベント事業は回復途上にあり、コロナ禍前の実績を回復するまでには至っておりません。一方、板紙については、Eコマースによる宅配事業や経済再開によるプラス要因により、飲料、食品向けを中心とした段ボール原紙や紙器用板紙の需要は堅調に推移いたしました。

海外市場におきましては、欧州及び豪州ではウイズコロナ政策を背景に経済活動が再開され需要の回復がみられており、紙の需要も前年を上回っております。また供給不足やエネルギーコスト問題により価格は上昇基調が続いています。中国では、「ゼロコロナ政策」による断続的な都市封鎖による社会経済への影響が影を落としており、紙需要も弱含んでおります。

 

このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、新型コロナウイルス感染症の対応継続を課題として取り組んでおります。

 

① 総合循環型経営の促進

当社は、サステナブルな社会の実現を目指し、紙・板紙の卸売事業と古紙回収による再資源事業を両立させたマテリアルリサイクル及びバイオマス発電所運転支援システムによるサーマルリサイクルを両輪とする総合循環型経営を推進していきます。

 

② 海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー

国内市場が成熟化するなか、海外事業の拡大、ポートフォリオ改革は当社の最重要課題となっています。また、環境問題やEC市場の成熟による世界的なパッケージ需要の拡大に対応するため、この分野で先行する海外子会社のノウハウとシナジーによるブランドオーナー開拓をします。グラフィック用紙事業は、他社との差別化戦略によるシェア拡大を図ります。

 

③ 環境事業の推進・拡大

2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、使い捨てプラスチック商品の紙化やバイオ素材対応などが一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは「Green Biz Project」を中心とした脱プラ関連需要への取組みを強化し、海洋プラスチック汚染問題などの社会課題の解決に向けた取り組みを進めています。また、2022年3月1日に「株式会社BMエコモ」設立し、高度なIoTを活用したバイオマス発電所の運転最適化支援システム「BMecomo」の事業を通じて、脱炭素化社会やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現化を加速させます。

 

④ グローバル・ガバナンスの充実

2019年に豪州、2020年には欧州の紙関連業界におけるリーディングカンパニーを続けて買収し、海外事業の売上規模は当社グループ売上高の55%を占め、海外拠点も133都市を数えるグローバル企業へと変貌しました。2022年10月1日にはグローバル・ガバナンス強化や資本政策の効率化を目指し持株会社へ移行する予定です。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症の対応継続

感染症は人類にとって長い闘いの歴史であり、一過性の課題として片付けず、従業員と家族の健康・安全とBCPの視点を軸に、その対応策のマニュアルを日々改善していきます。特にエッセンシャルワーカーへのインセンティブなどグループ企業全体の共通課題の検討も必要となっています。

 

 

(3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。

 

【基本方針】

(テーマ)

長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて

(メッセージ)

循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上

(基本戦略)

「収益基盤の確立・深化」

・各事業会社の利益最大化

・戦略的アライアンス、M&Aの推進

・グローバルシナジーの追求

・DXの推進

「グローバルグループ経営の強化」

・ESG経営の実現

・グローバルオペレーション体制構築

・グループコミュニケーション強化

・経営資源の適正配分

 

 目標とする経営指標と数値は、以下の通りです。

 

第3次中期経営計画 最終年度(2025.3期)数値目標

営業利益

営業利益率

ROE

ROA

D/Eレシオ※

145億

2.2%

12.0%以上

2.5%以上

1.0倍以下

 

※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産

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