課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

当社グループは、染色加工業を中核としつつ、これまで培ってきたテキスタイル関連の技術と他産業の技術を融合・発展させることにより、人間の生活、文化を豊かに創造し、かつ地球環境にやさしい高品位生活を構築する企業を目指しております。また、「事業を通じて社会に貢献する」を経営理念に掲げ、経済活動のみならず企業としての社会的責任を果たしつつ、企業価値を最大限に高めるための経営を徹底してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループでは、さらなる事業革新を進めることで、環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立に努めるとともに、競争力のある企業体質を構築し、企業価値の一層の向上に取り組んでまいります。

基幹事業である染色加工事業においては、競争力強化により事業環境の変化に左右されない、より強靭な事業への変革を目指しております。具体的には、優位性のある分野での事業強化による差別化・特化の推進、生産力の高度化、戦略的な設備投資の実行、調達改革の推進によるコスト競争力強化、環境・省エネ対応の推進に取り組んでおります。また、染色加工事業、繊維販売事業及び制御機器事業においては、拡大・成長分野、優位性のある分野へ経営資源を重点投入することにより、重点分野での事業強化によるシェア拡大、当社グループでの連携事業の拡大、将来を見据えた新規事業・成長事業の創出、収益力の向上に向けた商品企画、素材調達機能の強化に取り組んでまいります。

また当社は、マネジメントバイアウトの一貫として令和3年2月9日に開始されたサカイ繊維株式会社による当社株式に対する公開買付けについて、応募を推奨する旨の意見を表明しておりましたが、当該公開買付けは同年3月24日に不成立となりました。今後も当社は、当社グループの中長期的な企業価値の向上に、これまで以上に取り組んでまいります。

 

(3) 経営環境

今後の国内経済につきましては、段階的な社会経済活動再開への取り組みは続いているものの、依然として新型コロナウイルス感染再拡大の影響などから、経済活動の回復に向けた動きは鈍く、先行きは予断を許さない不透明な状況が続いております。衣料品をはじめとした繊維製品の販売低迷は、当社の受注に影響を及ぼし、原材料価格や物流コストの慢性的な上昇は継続しており、当社グループを取り巻く環境は引き続き不透明な状況です

新型コロナウイルスの影響は大きく、当社グループの主力業界である繊維業界は、長期的な消費の低迷やサプライチェーンの寸断による生産供給活動の停滞、コスト増など、甚大な影響を受けております

このような経営環境の中で、当社は持続的な成長と企業価値の最大化にむけ、経営資源の最適な配分により、競争優位性と強みを発揮できる事業領域の拡大に注力するほか、当社の独自技術を活かした商品、事業の創出に取り組んでまいります

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①染色加工事業

顧客である繊維販売業者との関係を更に深化させることで、顧客ニーズの主導的な掘り起しや提案営業による製品開発を加速させ、事業の安定的な成長を図るとともに、改善改良活動に地道に取り組むことで、現場力の向上を更に進め、最適な品質、コスト、納期を実現し、生産体制の基盤強化に努めてまいります

②繊維販売事業

競争力のある市場への拡販を更に強力に推進するほか、テキスタイル、アパレル両事業の連携をより高度化し、企画機能を付加した当社独自のサプライチェーンを再構築することで、商流の多様化や販路拡大に努めるとともに、海外生産拠点の最大活用を図ることで、コスト低減や為替変動の影響を受けにくい体制を整え、収益構造の抜本的な改善を図ってまいります

 

③制御機器事業

社会インフラ基盤の構築を支える事業として、機械の自動制御装置及びFAシステム(生産工程の自動化を図るシステム)の設計・製造、電力工事等の顧客開拓に注力する一方、新たな事業エリアの拡大に向けて営業体制を再構築するなど、更なる規模の拡大を目指してまいります

 

その他、環境保全への取り組みは事業の存続に不可欠との認識により、環境負荷の低減や省エネ、リサイクル活動などを重要な経営課題として取り組むとともに、多様な人材が活躍できる仕組みの構築、風土の醸成を図るなど人材の活性化を通じた柔軟な組織運営に努めてまいります。そのため、次代を担う人材の獲得、育成に注力する他、社外リソースの取り組みが重要との認識のもと、M&Aなどのあらゆる可能性を検討し、収益力の抜本的な改善と向上に取り組んでまいります

また、的確かつ迅速な意思決定と業務執行並びに適正な監査体制の構築を図り、コーポレートガバナンスの実効性をより一層強化するため、グループ全体でのリスク管理、内部統制の取り組みを徹底するとともに、環境変化に対応した投資戦略、資本政策の策定を行い、信頼の向上に努めてまいります

以上の取り組みを実践し、グループ一丸となって、持続的に成長できる事業構造への変革を推進してまいります

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的な収益基盤を構築するため、事業活動の成果である売上高営業利益率を重要な指標として認識しています。また、収益性とともに、資本効率向上にも積極的に取り組むため、自己資本利益率、総資産経常利益率等を重視しています。一方、将来の成長を確保するために、フリー・キャッシュ・フロー創出にも意を用いており、これらを指標とすることで、安定と成長を両立させた経営を実現し、企業価値のより一層の向上に努めてまいります。

 

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