研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおいては、主に高純度薬品事業およびメディカル事業において研究開発活動を行っています。研究開発活動の基本方針はフッ化物業界という特異な分野でありながら、多様化、高度化し、広範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究開発し提供することです。

この目的達成のため次の事項を主眼として開発のスピードアップを図り、顧客ニーズ、時期に合致するよう努力しています。

(1) 積極的な研究開発姿勢

(2) 高純度製品の開発

(3) 高品質製品の開発

(4) 機能性・高付加価値製品の開発

(5) 顧客ニーズに合致した製品の開発

(6) コスト低減技術の開発

(7) 高度先進技術への対応

研究開発スタッフは、グループ全員で52名にのぼり、これは総従業員の約6%に当たります。

当連結会計年度における各セグメント別の主な研究内容および研究開発費は次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は744百万円です。

 

(1) 高純度薬品

主として半導体やLCDの製造に使われる薬液や材料、第5世代移動通信システム(5G)に使われる材料、リチウムイオン電池などの蓄電デバイスに使われる材料などを中心とした研究開発活動を行っています。最近は、フッ素化合物のナノテクノロジーへの応用、自動車へ搭載されるリチウムイオン二次電池を高性能化する添加剤の開発、ナトリウムイオン二次電池や全固体電池などの次世代二次電池用の材料研究、燃料電池を高性能化する材料の研究、高精細LCDやパブリックインフォメーションディスプレイなどに用いられるミニLEDやマイクロLEDの演色性を高めるLED用蛍光体および蛍光体製造材料の開発、第5世代移動通信システム(5G)における伝送損失を低減させる低誘電率・低誘電正接材料の開発など、研究テーマ毎にグループを形成して研究開発活動に従事しています。

当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は495百万円です。

 

(2) メディカル

主として自社で保有するホウ素濃縮技術を活用した新たながん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で用いる医薬品の開発に取り組んでいます。グループ会社であるステラファーマ株式会社では、BNCT用ホウ素薬剤(開発コード:SPM-011)の開発を進めた結果、2020年3月に切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、BNCT用医薬品としては世界初となる製造販売承認を取得し、2020年5月から販売を開始いたしました。引き続き、適応症の拡大を目指した企業治験として再発悪性神経膠腫(悪性度の高い再発脳腫瘍)、悪性黒色腫および血管肉腫を対象とした開発を行うほか、医師主導治験として再発高悪性度髄膜種を対象とした開発も進行中です。

なお、その他研究開発テーマとして、陽電子放射断層撮影(PET)によるがんの検査技術の開発も開始しており、大阪公立大学により2019年4月から開始された、AMED革新的がん医療実用化研究事業の採択課題「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)への適用を指向した18F-FBPA-PET診断技術の開発研究」にステラファーマ株式会社が参画しています。

当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は249百万円です。

 

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