事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

これらのリスクは必ずしも当社グループの事業等に関するリスクを全て網羅したものではなく、当連結会計年度末現在では想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、当社グループの財政状態や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

また当社は、リスクマネジメントの基本方針等を「リスクマネジメント規程」に定め、それに基づき、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会において、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して的確な管理を行うことに努めています。

 

① 原材料の調達リスクについて

当社グループの原材料等の一部は、特定の地域に在る供給源に依存しており、その供給が逼迫した場合や、供給が中断した場合には、生産活動の遅れや停止につながり、製品供給に支障が出る可能性があります。当社では調達リスクを軽減するために複数のサプライヤーからの購入、継続的な新規供給源の開発に取り組んでいます。また原材料価格の急騰は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。速やかな販売価格への転嫁等により影響を極力回避すべく取り組みを行っています。

 

② 特定事業への高い依存について

当社グループの売上高において、高純度薬品事業の半導体液晶関連の占める割合が高く(6割弱)、得意先である電子・電気・通信機器業界の半導体需要ならびに設備投資の下降、同業他社との価格競争激化による販売価格の下落等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。継続的な製品競争力の強化や他事業分野の製品開発および製品販売の伸張によって影響を回避すべく努めています。

 

③ 生産・事業活動に係るリスク(感染症、災害、事故)について

当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響について、当連結会計年度において当社業績に与える影響は限定的であったものの、今後、感染拡大状況によっては、経済の停滞による市況悪化や国内外の販売先における生産停止などの発生に伴い、当社グループの事業活動が著しく減退した場合には、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。一方、新たな生活様式の普及により当社製品の販売増進に繋がる分野もあり、これらの需要を着実に取り込むことで当社グループの経営成績等の維持・向上に努めてまいります。また、当社グループにおけるサプライヤーの事業活動に大きな影響が生じ、原料等の調達価格高騰や調達困難な状況が発生した場合には、当社グループの事業継続コストが嵩み、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの従業員に感染者が発生し、一時的に操業停止せざるを得ない状況が発生した場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、感染防止のため、国・都府県の指針に基づき、従業員の勤務体制整備や予防対策に最大限努めています。

この他、災害や事故に伴う生産活動の中断により生じる影響を最小限に抑えるため、日常的な製造設備の保守点検、安全防災設備・機器の導入、自衛消防組織の確立、安全防災訓練実施やマニュアルづくり等、設備保全、安全確保に努めています。しかし、突発的な自然災害発生や不慮の事故発生により、製造設備の損壊、原材料の調達困難、電力・物流等の社会インフラの機能不全、経済状況悪化に伴う需要動向の変化等が発生し、生産活動を制限あるいは中断した場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。万一の被災時における事業の継続あるいは復旧に備え、事業継続計画を策定し、また保険の付保による損害軽減策を講じています。

 

④ 法的規制リスクについて

当社グループは、事業活動を行う上で、安全保障貿易管理、商品の品質、安全、環境関連、化学物質関連、また会計基準や税法、労務関連、取引関連等の様々な法規制の適用を受けています。これらの法規制については遵守するよう体制を整備し、社会的良識に沿った企業行動を行っています。現行の法規制の変更や新たな法規制等が追加され要求事項に対応できない場合は、罰則が科されたり訴訟を提起されたりするリスクに加え、当社グループの事業活動が制限され、あるいはその対応のために新たな投資が必要になる等、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 製造物責任リスクについて

当社グループの製品は、高度な技術や複雑な技術を利用したものが増えており、また、原材料等を外部の供給者から調達していることにより、品質保証へのコントロールは複雑化しています。当社グループでは、生産、出荷の各段階で当社の品質基準に適合していることを厳密に確認しています。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証は無いため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えていますが、予期せぬ重大な事故や品質面での重大な欠陥が発生した場合には、社会的信用の失墜を招き、顧客に対する補償などによって、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ サステナビリティ課題に係るリスクについて

 世界的に環境・社会・経済の持続可能性(サステナビリティ)に配慮した経営が求められている中、当社グループは、これらの課題に対する取り組みの重要性を認識し、マテリアリティの特定や対応を進めていく計画です。具体的には、TCFD提言に沿った気候変動への対応や環境保全、事業における人権の尊重などの環境・社会問題への取り組みがあげられます。一方、これらの課題について適切な対応が取れない場合、事業機会の損失や社会的信用の失墜などに繋がり、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また各国の環境規制強化に伴い、多額の費用や設備投資が必要となった場合には、当社グループの事業継続コストが嵩み、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 海外活動リスクについて

当社グループは、フッ化物製造事業を中心に、シンガポール、中国に事業展開していますが、各国において以下のようなリスクがあります。当該リスクに対しては、現地法人や商社を通じての情報収集を行いその回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合は、債権回収の遅延・不能や、事業遂行の遅延・不能、需要動向の変化等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
a)予期しえない法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
b)不利な政治的要因の発生
c)テロ、戦争等による社会的混乱
d) 人材確保の困難化、労使関係の悪化

 

⑧ 為替変動リスクについて

当社グループは、海外への輸出を円貨建てで決済する一方、原材料等の一部を海外からの輸入品により調達しており、その代金決済を外貨建てで行っています。為替予約取引等により為替変動リスクをヘッジする措置を講じているものの、それら外貨に対する円相場の急激な変動が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 知的財産権侵害リスクについて

当社グループは、独自開発した技術による事業展開を基本として、必要な知的財産権の取得を推進しています。一方、当社グループが事業展開している分野については、第三者の知的財産権を常に調査監視して、第三者の有効な知的財産権は、代替技術の開発または技術的な回避策を講じることにより使用しない、当該第三者から使用する権利を得るなどの対策をとり、侵害の防止に努めています。さらに、調査監視にあたる人員を拡充するなど、体制の強化にも取り組んでいます。現在、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。しかし、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、仮に当社グループが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、当該第三者の主張の正当性の有無にかかわらず、解決には多大な時間および費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 訴訟リスクについて

当社グループは、事業を遂行する上でコンプライアンスの重要性を認識し、法令および社会的ルールの遵守の徹底を図っていますが、取引先や第三者から訴訟等が提起され、または規制当局より法的手続がとられるリスクを有しています。これらにより、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合または事業遂行上の制限が加えられた場合、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

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