課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「人・仕事・組織の個性を可視化するための測定ツールを提供し、測定データの適切な解釈を通して、顧客企業の生産性向上とそこで働く個々人の仕事を通しての自己実現をはかる」ことを企業理念としております。また当社は、上場会社として、資本市場を通じて資金調達の機会を得るとともに、株主に対して利益還元を行う社会的使命を有する企業であります。この認識を踏まえ、

① 高い効率性を追求する会社

② 収益力が高くかつ成長が見込まれる会社

③ 高い専門性と良質なサービスを提供することにより、社会への貢献度の高い、顧客から尊敬される会社

となるべく、さまざまな施策に取り組んでいくことが重要であると考えております。

 

(2)目標とする経営指標

当社では「資本効率を高める」という観点から、目標とする経営指標として業績に対するROE(自己資本利益率)を重視しております。

 

 

前事業年度
自 2020年10月1日
至 2021年9月30日

当事業年度
自 2021年10月1日
至 2022年9月30日

ROE

18.4%

18.5%

 

 

(3)会社の経営環境及び経営戦略

当社は、これまで、新規学卒者等の採用選考における適性テストを主とした人材アセスメントサービスを提供し、この市場において高い評価をいただいております。企業は厳しい経営環境下では新規学卒者等の採用数を絞り込む傾向にありますが、業績が好調でも、むやみに採用数を増やすのではなく、学生の資質が重視されており、「適切な人材」や「優秀な人材」に対する企業の要求は年々高いものになっております。「入社後にきちんと成果の出せる人材、配属予定の業務に適性のある人材」を求めるニーズはより強くなっており、そのための適切な人材アセスメントサービスが求められております。

コロナ禍におきましても、このように新規学卒者等の採用選考に対するニーズは底堅いことから、当面は当社のコア事業である新規学卒者等の採用選考市場に対して引き続き注力する方針であります。そのためには「商品力のさらなる向上と営業体制の強化、営業効率の改善」が必要となります。商品力については既存商品の改善スピードを向上させ、営業体制では、東京、名古屋、大阪の三拠点を軸に、各業界の主要企業とのさらなる取引拡大を目指します。今後も各種のイベントやセミナーから見込み顧客を獲得し、受注・成約に結び付ける手法により効率化を促進させ、当社コンサルタントの営業活動との相乗効果を今後も強化してまいります。また、当社においても新規学卒者等を継続して採用し、当社の将来を担う人材として育成指導してまいります。

また、活発化している経験者採用選考市場に対しても販売代理店のネットワークから成果が上がっており、全国に展開した販売代理店ネットワークを通じて顧客ニーズに細かく対応してまいります。有力な販売代理店ネットワークを通じた顧客の拡大により当社の取引社数は毎年増加しております。

現在、国内企業におきましても「グローバル人材」の採用と育成の必要性は変わりません。グローバルネットワークを持つSHL社は多くの言語に対応したアセスメントツールを通じて主要国の先進的企業をはじめ多くの顧客に対し人材アセスメントサービスを提供しておりますが、国内市場では、当社が引き続きグローバル人材の採用と育成を支援する体制を維持してまいります。一方、新商品の開発等につきましては、当社とSHL社のもつ研究・開発力を連携してまいる考えであります。

 

今後とも売上、営業利益を増加させるために、以下の事項を基本戦略とします。

① 取引社数の拡大

② Web化の推進による利益率の向上

③ 社員アセスメントサービスの拡大

④ 新たな商品サービスの開発

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、従来どおり新規学卒者等の採用選考における適性テストサービスを提供していくとともに、顧客企業における配属・教育・登用等の人事施策の適正化に関する各種社員アセスメントサービスを提供する体制をより強化し、総合的な人材アセスメントサービス企業として成長並びに収益体質の強化に努めてまいりたいと考えております。この課題に対処するため、以下の計画を推進しております。

①人材の確保と教育

当社は、上場企業として、より質の高いサービスを、より広く提供するためには、新サービス・新システム等の開発体制、営業体制、内部管理体制の強化が不可欠と考えており、そのために、コンサルタント(営業・開発)職及びシステムエンジニア(開発)職並びに管理部門の人員増強に努めております。継続的な教育の徹底により、新入社員の早期戦力化や中堅社員の能力向上に取り組むことにより、引き続き、強固な社内体制を構築していく所存であります。

②研究開発の推進

当社は、他社に先駆けて人材アセスメントサービス事業のインターネット化に取り組んでまいりました。インターネット技術を利用した人材アセスメントサービスは、今後ますますグローバル化していくと考えられます。当社ではこうした変化に対応するために、SHL社とのライセンス契約に基づき、SHL社がもつ多国籍言語ツールを日本国内において利用できるようにして、(SHL社の)グローバル顧客に対する利便性向上に寄与していく方針であります。

 

また、当社では、業績に対するROE(自己資本利益率)を経営指標として重視しております。そのため、継続的な業績の向上はもちろん、資本効率の向上等を目的とした自己株式の取得を、機動的かつ弾力的に実施することによりROEを高めていく方針であります。

 

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