業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度においては、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により社会的活動全般が制限される中、当業界は新技術の活用やコロナ禍での行動変容など、変化への対応が求められる状況となりました。

このような状況のもと、事業の継続を図るべく勤務体制の見直しやオフィスでの勤務環境の整備に取り組むなど、当社グループ内での影響の極小化に努めました。

また、当社の主力事業であるデジタルコンテンツ事業においては、ここ数年来、積極的に推進してきたデジタル販売が奏功したことに加え、大型新作タイトルとリピートタイトルの販売が拡大し、業績向上のけん引役を果たしました。他方、アミューズメント施設事業およびその他事業においては、感染症拡大の影響を受けたものの、販売費および一般管理費などの見直し等により、利益の確保に努めてまいりました。

この結果、デジタル販売を主軸とした事業戦略のもと、販売地域の拡大と長期販売の実現に伴い海外収益が伸長したことにより、売上高は953億8百万円(前期比16.8%増)、営業利益は345億96百万円(前期比51.6%増)、経常利益は348億45百万円(前期比51.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は249億23百万円(前期比56.3%増)と8期連続営業増益を達成しました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルコンテンツ事業)

当事業におきましては、シリーズ最新作『モンスターハンターライズ』(Nintendo Switch用)が今年3月の発売から早々に全世界で出荷本数400万本を突破するなど好調に推移したほか、『バイオハザード RE:3』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)も390万本と順調に販売本数を伸ばしました。また、前期発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)や前期以前に発売した『バイオハザード RE:2』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)など、採算性の高いリピートタイトルも根強い人気により利益を押し上げました。さらに、次世代ゲーム機向けタイトル『デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S用)を発売しました。

加えて、モバイルコンテンツにおいては、日本国内で『ロックマンX DiVE』(Android、iOS用)のサービスを開始したほか、協業タイトル『街霸:対決(ストリートファイター:デュエル)』(Android、iOS用)の中国でのサービス開始に伴うライセンス収益が利益に貢献しました。

この結果、売上高は753億円(前期比25.6%増)、営業利益は370億2百万円(前期比53.1%増)となりました。

 

(アミューズメント施設事業)

当事業におきましては、2020年5月の緊急事態宣言の解除後、順次営業を再開し回復に努めてまいりました。当期は、当社の人気キャラクターグッズの物販専門店「カプコンストアオーサカ」(大阪府)の新規出店をはじめとして既存店「プラサカプコン高知店」の大型リニューアルを行うなど、地域に根付いた店舗展開、運営を推進してまいりました。

この結果、施設数は41店舗となり、売上高は98億71百万円(前期比18.4%減)、営業利益は1億49百万円(前期比87.7%減)となりました。

 

(アミューズメント機器事業)

当事業におきましては、感染症拡大に伴いホールオペレーターの休業や旧規則遊技機の撤去期限が延長されたこともあり、全般的に新機種への需要が鈍化する中、『モンスターハンター:ワールド』が好調に推移したほか、『リングにかけろ1 ワールドチャンピオンカーニバル編』および『バイオハザード7 レジデント イービル』を投入し、収益を下支えしました。

この結果、売上高は70億90百万円(前期比8.5%増)、営業利益は24億7百万円(前期比15.4%増)となりました。

 

 

(その他事業)

その他事業につきましては、当社ブランド価値向上に向け、グローバルでの積極的な展開を図り、シリーズ初の「モンスターハンター」のハリウッド実写映画が2020年12月に海外で公開され、国内は2021年3月に『モンスターハンターライズ』の発売日と同日に公開するなど、主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ等の販売拡大に注力しました。

また、eスポーツにおいては、感染症拡大の影響によりオンライン形式のイベントに切り替えて実施しました。2020年6月に開始した個人戦「CAPCOM Pro Tour Online 2020」ならびに2020年秋から開始したチーム戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020」および「ストリートファイターリーグ: Pro-US 2020」ともに、多くのプレイヤーが参加し熱戦が繰り広げられ、さらなるユーザー層の拡大につながりました。

この結果、売上高は30億45百万円(前期比0.9%増)、営業利益は9億87百万円(前期比81.2%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ202億46百万円増加し 1,637億12百万円 となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ185億62百万円増加し 1,273億91百万円 となりました。主な増加の要因は、「受取手形及び売掛金」91億37百万円、「現金及び預金」55億82百万円、および「ゲームソフト仕掛品」32億20百万円によるものであります。なお、「現金及び預金」から有利子負債を差し引いたネット・キャッシュは67億11百万円増加し656億33百万円となり、開発投資を支える財務基盤が強化されております。固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億84百万円増加し 363億21百万円 となりました。主な増加の要因は、「無形固定資産」8億77百万円および「建設仮勘定」7億21百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ8億12百万円減少し429億18百万円となりました。主な増加の要因は、「長期借入金」22億72百万円によるものであり、主な減少の要因は、「1年内返済予定の長期借入金」34億1百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ210億58百万円増加し1,207億94百万円となりました。主な増加の要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」249億23百万円の計上によるものであります。主な減少の要因は、「剰余金の配当」53億37百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」 348億28百万円 (前連結会計年度は 228億90百万円 )に、「減価償却費」などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、たな卸資産等の増減、「法人税等の支払額」などが増減した結果、 146億25百万円の収入 (前連結会計年度は 222億79百万円の収入 )となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の取得による支出」、「定期預金の預入による支出」および「定期預金の払戻による収入」等により、 42億33百万円の支出 (前連結会計年度は 84億37百万円の支出 )となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、「配当金の支払額」等により、 69億65百万円の支出 (前連結会計年度は 63億51百万円の支出 )となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は 43億71百万円増加 640億43百万円 となりました。

 

 

  ④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

19,375

108.0

アミューズメント機器事業

3,707

95.5

合計

23,082

105.8

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

75,300

125.6

アミューズメント施設事業

9,871

81.6

アミューズメント機器事業

7,090

108.5

その他

3,045

100.9

合計

95,308

116.8

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
なお、前連結会計年度における任天堂株式会社および当連結会計年度における株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

任天堂株式会社

13,965

14.7

Valve Corporation

12,688

15.6

10,595

11.1

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

8,583

10.5

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループの当連結会計年度末現在の事業及び経営環境に基づいて判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なりうる可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」をご参照ください。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(無償ダウンロードコンテンツの収益認識)および(ゲームソフト仕掛品の評価)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

(退職給付に係る負債)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な前提条件を見積りに加味して計上しております。これらの条件が変更される場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の収益計画に基づいた課税所得が十分に確保できる可能性や、回収可能性があると判断した将来減算一時差異に基づいて、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依拠するため、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、繰延税金資産を見直し、その影響額を法人税等調整額に計上する可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、当社グループの事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響に対する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の当社グループ事業全体および各セグメントの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

当連結会計年度末における自己資本比率は73.8%(前期から4.3ポイントの増加)に向上し、加えて、ROE(自己資本利益率)は22.6%(前期から5.7ポイントの増加)に向上いたしました。当社グループは、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、安定的に向上させることができました。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業環境への影響は、当連結会計年度末においては軽微であります。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。

当社グループの営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の持続的な増加および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

 

 

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

売上高    (百万円)

87,170

94,515

8.4

100,031

5.8

81,591

△18.4

95,308

16.8

営業利益  (百万円)

13,650

16,037

17.5

18,144

13.1

22,827

25.8

34,596

51.6

営業利益率  (%)

15.7

17.0

18.1

28.0

36.3

 

キャッシュ・フローにつきましては、当社グループは、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当連結会計年度末の残高は65,633百万円(前連結会計年度末より6,711百万円増)となりました。当社グループは、手元流動性の拡大による財務健全性の向上をはかり、経営の安定性を高めるように努力しております。

当社グループは、これらの指標を改善することにより、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社グループのROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」をご参照ください。

当社グループは、また、成長を継続するための必要な投資を行い、企業価値の向上に努め、株主への安定的な配当による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は30.4%と安定配当を継続して行っております。

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

連結配当性向(%)

31.2

30.0

30.3

30.1

30.4

 

なお、必要に応じた機動的な自己株式の取得を実施することにより、当社グループの一株当たりの利益を高めることで株式の価値を高め、株主への還元に資することも重要な施策の一つとして考えております。

上記施策により、当期の株主総利回りは538.9%と、比較指標である配当込みTOPIXの162.3%を大幅に上回っております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2)提出会社の経営指標等」をご参照ください。

 

④ 資本の財源および資金の流動性

当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、コンテンツ充実によるタイトルラインナップの拡充や新たな技術に対応するため、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計279億45百万円の88.4%に相当する246 億93百万円 を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。

ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な家庭用ゲーム機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルのゲームコンテンツ開発期間は2年以上を要することに加え、発売後の定期的なゲームコンテンツのバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。

当社は、財務基盤を強化するとともに成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画とリスク対応の留保分を考慮したうえで、保有しておくべき現預金水準を3年分の開発費用を目途に設定し、適正レンジの維持に努めてまいります。また、事業環境の変化や事業拡大に伴う設備投資が発生した場合には、適切な資金調達を行います。

なお、配当を含めました当連結会計年度の資金流動につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は43億71百万円増加640億43百万円となりました。

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