業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における当業界は、次世代通信規格「5G」の商用サービスが始まるなど、通信環境の進展を背景に米国のアップルが定額サービスの「アップルアーケード」をスタートしたことに加え、同じくグーグルもクラウド経由のゲーム配信サービスを開始するなど、大手IT企業の相次ぐ参入により、新たなうねりが出てまいりました。

このような状況のもと、当社は競争力の源泉である家庭用ゲームソフトの開発、販売に経営資源を集中するとともに、開発人員の増強や開発環境の整備など、開発体制の充実強化に努めてまいりました。こうした中、当期の主力タイトル「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)が安定した人気に支えられ全世界で500万本を販売しました。加えて、大型のリピートタイトルが海外を中心に人気が持続したほか、好採算のダウンロード販売が拡大したことにより収益向上に貢献しました。

また、マルチプラットフォーム展開を推し進めるため、サブスクリプションサービス型(定額制)の「アップルアーケード」向けに、新作タイトル「深世海 Into the Depths」の供給を開始いたしました。さらに、将来の成長が期待されるeスポーツビジネスを軌道に乗せるため、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE」を開催したほか、米国でも「Capcom Pro Tour」の世界決勝大会「CAPCOM CUP 2019」を実施するなど、新たな事業モデルの構築に向けて注力してまいりました。

この結果、売上高は、主な販売形態をパッケージ版からダウンロード版に転換したことなどもあって 815億91百万円 (前期比18.4%減)と減収になりました。一方、利益面につきましては、ダウンロード販売中心の「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のヒットに加え、リピートタイトルにおいても利幅が大きいデジタル販売比率の向上等により営業利益 228億27百万円 (前期比25.8%増)、経常利益 229億57百万円 (前期比26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益 159億49百万円 (前期比27.1%増)となり、収益構造の見直しが奏功したことにより、前期に引き続きいずれも過去最高益を更新いたしました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルコンテンツ事業)

当事業におきましては、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)が堅調に推移するとともに、採算性が高いダウンロード販売中心の事業展開により、収益アップのけん引役を果しました。また、昨年の「日本ゲーム大賞2019」において優秀賞を受賞した前期発売の「バイオハザード RE:2」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)および同じく「デビル メイ クライ 5」(Xbox One、プレイステーション 4、パソコン用)がユーザー層の拡大により続伸しました。さらに、前々期に発売した「モンスターハンター:ワールド」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)も息が長い売行きを示したことにより、累計販売本数が1,500万本を達成するなど、リピート販売の健闘により利益を押し上げました。

この結果、売上高はデジタル販売比率の向上により599億42百万円(前期比27.8%減)となりましたが、営業利益につきましては、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」やリピートタイトルの寄与などにより241億61百万円(前期比3.6%増)となりました。

 

 

(アミューズメント施設事業)

当事業におきましては、「地域一番店」を旗印に各種イベントの開催やサービスデーの実施など、地域密着型の集客展開により中高年齢者、訪日外国人等の新規顧客の獲得やリピーターの確保のほか、女性、ファミリー層の取り込みを図るなど、広範な客層の囲い込みや需要の掘り起こしに努めてまいりました。

当期は、新機軸展開として当社のオリジナルグッズや限定商品などを取り扱う物販専門店の「カプコンストアトーキョー」を渋谷パルコ(東京都)に出店したほか、「プラサカプコン池袋店」(東京都)および「プラサカプコン藤井寺店」(大阪府)の2店舗をオープンしましたので、施設数は40店舗となっております。

この結果、売上高は120億96百万円(前期比9.5%増)、営業利益は12億11百万円(前期比10.5%増)となりました

 

(アミューズメント機器事業)

近年、パチスロ機市場は、型式試験方法の変更などにより低迷状態が続いてまいりましたが、今年3月に投入した「新鬼武者 DAWN OF DREAMS」が好調に推移したことにより、予想を上回る販売台数を達成するなど、ようやく底を打つとともに、好転の兆しが出てまいりました。

この結果、売上高は65億33百万円(前期比90.9%増)、営業利益は20億85百万円(前期は営業損失26億68百万円)となりました

 

(その他事業)

その他事業につきましては、主なものはライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズなどの物品販売で、売上高は30億18百万円(前期比17.2%増)、営業利益は5億44百万円(前期比32.8%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ200億58百万円増加し 1,434億66百万円 となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ180億12百万円増加し 1,088億29百万円 となりました。主な増加の要因は、「現金及び預金」126億53百万円、および「ゲームソフト仕掛品」42億95百万円によるものであります。なお、「現金及び預金」から有利子負債を差し引いたネット・キャッシュは142億32百万円増加し589億21百万円となり、開発投資を支える財務基盤が強化されております。固定資産は、前連結会計年度末に比べ20億46百万円増加し 346億36百万円 となりました。主な増加の要因は、「繰延税金資産」14億86百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ90億73百万円増加し437億31百万円となりました。主な増加の要因は、「未払法人税等」13億61百万円、「電子記録債務」12億29百万円、および「繰延収益」60億59百万円によるものであり、主な減少の要因は「長期借入金」41億29百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ109億85百万円増加し997億35百万円となりました。主な増加の要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」159億49百万円の計上によるものであります。主な減少の要因は、「剰余金の配当」42億70百万円によるものであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」 228億90百万円 (前連結会計年度は177億70百万円)に、「減価償却費」などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、たな卸資産等の増減、「法人税等の支払額」などが増減した結果、 222億79百万円の収入 (前連結会計年度は198億47百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の取得による支出」および「定期預金の預入による支出」等により、 84億37百万円の支出 (前連結会計年度は22億61百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、「配当金の支払額」等により、 63億51百万円の支出 (前連結会計年度は114億43百万円の支出)となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は 66億67百万円増加 596億72百万円 となりました。

 

  ④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

17,933

72.8

アミューズメント機器事業

3,884

86.7

合計

21,817

75.0

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

59,942

72.2

アミューズメント施設事業

12,096

109.5

アミューズメント機器事業

6,533

190.9

その他

3,018

117.2

合計

81,591

81.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
なお、前連結会計年度における株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントおよびValve Corporationについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

8,583

10.5

Valve Corporation

12,688

15.6

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」をご参照ください。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(退職給付に係る負債)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な見積りを加味して計上しております。これらの前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

なお、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う影響に対する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(追加情報)」および「第5 経理の状況  2  財務諸表等  (1)財務諸表  注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の事業全体およびセグメントごとの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

当連結会計年度末における自己資本比率は69.5%(前期比2.4%減)と減少したものの、ROE(自己資本利益率)は16.9%(前期比2.5%増)と向上いたしました。当社は、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、安定的に向上させることができました。

なお、新型コロナウィルス感染症拡大による、当連結会計年度末における影響は軽微であります。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。

当社の営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の増加による成長および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

 

 

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

売上高
(百万円)

77,021

87,170

13.2

94,515

8.4

100,031

5.8

81,591

△18.4

営業利益
(百万円)

12,029

13,650

13.5

16,037

17.5

18,144

13.1

22,827

25.8

営業利益率
(%)

15.6

15.7

17.0

18.1

28.0

 

キャッシュ・フローにつきましては、当社は、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当期末の残高は58,921百万円(前年度より14,232百万円増)となっており、手元流動性の拡大による財務健全性の向上をはかり、経営の安定性を高めております。

当社は、これらの指標を改善すれば、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社のROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」をご参照ください。

当社は、また、投資による成長などによる安定的な企業価値の向上とともに、長期株主への安定的な増配による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は30.1%と安定配当を継続して行っております。

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

連結配当性向(%)

29.0

31.2

30.0

30.3

30.1

 

 なお、機動的な自己株式の取得を実施することにより、一株当たり利益の価値を高めることも当社の株式の価値を高め、株主への還元に資する重要な方針の一つとして考えており、当期の株主総利回りは296.8%と比較指標である配当込みTOPIXの101.8%を大幅に上回っております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2)提出会社の経営指標等」をご参照ください。

 

④ 資本の財源および資金の流動性

当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、タイトルラインアップの拡充や新たな技術への対応に加え、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。したがいまして、当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計283億47百万円の80%強に相当する242億65百万円を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。

ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な現行機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルの開発期間は2年以上を要することに加え、ダウンロードコンテンツ販売の浸透により販売期間も長期化しており、投資を回収するまでの期間も長期化しております。さらに、発売後の定期的なバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。

当社は、財務基盤を強化するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画とリスク対応の留保分を考慮したうえで保有しておくべき現預金水準を設定し、これを手元現金と貸出コミットメントライン契約等で補完し、適正レンジで維持しております。

なお、配当を含めました当期の資金流動につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は66億67百万円増加596億72百万円となりました。

 

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