事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

当社は、今後想定し得る様々な危機の未然防止や不測の事態が発生した場合などに備え、適正な対応を図ることにより被害、損失や信頼失墜を最小限に食い止めるため、「危機管理規程」等により組織横断的なリスク管理体制が機能するよう努めております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。因みに、新型コロナウイルス感染症の拡大による各事業への影響は正負の両面が考えられますが、当社グループにおける経営成績、株価および財務状況等に与える影響は小さいと判断しております。
 なお、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) デジタルコンテンツ事業に関するリスク

① 開発費の高騰化

家庭用ゲーム機は新技術の登場や機器の性能向上に伴い、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。したがいまして、販売計画未達等の一部のタイトルにつきましては、開発資金を回収できない可能性があります。
 対応策として、自社開発エンジンの構築、開発人員の増強と効率的配置により、クオリティの向上と開発の効率化を両立させ、開発費の抑制に注力しております。

 

② ゲームソフトの陳腐化について

嗜好品であるゲームソフトは、顧客層が重なる他業種との競争も激しく、他の娯楽へユーザーの志向が強くなることにより、ゲームソフトに対する購買動向が影響を受ける傾向にあります。また、パッケージの商品寿命は必ずしも長くはありません。このため、陳腐化が早く、商品在庫の増加や開発資金を回収できない可能性があります。
 対応策として、デジタル販売の強化による商品在庫の縮減および過去作のリメイクや派生作品の投入により、有力IPを継続的に活用、長期的な収益確保に努めております。

 

③ 人気シリーズへの依存について

当社は多数のゲームソフトを投入しておりますが、一部のタイトルに人気が集中する傾向があります。シリーズ作品は売上の振幅が少なく、業績の安定化には寄与しますものの、これらの人気ソフトに不具合が生じたり市場環境の変化によっては、ユーザー離れが起きる恐れがあり、今後の事業戦略ならびに当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、主力IPを活用した大型タイトルの安定的な投入と新規IPの創出に加え、ワンコンテンツ・マルチユース戦略による新規顧客の獲得により、IPの価値向上を推し進めております。

 

④ 暴力シーン等の描写について

当社の人気ゲームソフトの中には、一部暴力シーンやグロテスクな場面など、刺激的な描写が含まれているものがあります。このため、少年犯罪が起きた場合は往々にして、一部のマスコミなどからゲームとの関連性や影響を指摘されるほか、誹謗中傷や行政機関に販売を規制される恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、ゲームソフトの年齢別レーティング制度のルール遵守や、出前授業や企業訪問受け入れによる児童、生徒、学校関係者や保護者への啓蒙に努めております。

 

⑤ 季節要因による変動

ゲームソフトの販売は年末年始のクリスマスシーズンから正月にかけて最大の需要期を迎えます。したがって、ゲームの需給動向は年間を通じて大きく変動し、四半期ごとに業績が振れる可能性があります。
 対応策として、デジタル販売の強化と機動的な価格施策により、ゲームソフトの長期販売と収益の安定化に努めております。

 

 

⑥ 家庭用ゲーム機の普及動向について

当社の家庭用ゲームソフトは、主に株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社の各ゲーム機向けに供給しておりますが、これらの普及動向やゲーム機に不具合が生じた場合、事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、家庭用ゲーム機市場の調査・分析による将来の見通しの予測に加え、マルチプラットフォーム展開により収益リスクを分散しております。

 

⑦ 家庭用ゲーム機会社との許諾契約について

当社は、家庭用ゲームソフトを現行の各ゲーム機に供給するマルチプラットフォーム展開を行っております。このため、競合会社でもある株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社からゲームソフトの製造、販売に関する許諾を得ておりますが、契約の変更や新たな契約内容によっては、今後の開発戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、家庭用ゲーム機だけでなく、PCプラットフォームを通じた販売にも注力し、グローバルでの収益の拡大を推進しております。

 

⑧ 家庭用ゲーム機の更新について

家庭用ゲーム機は過去、3~7年のサイクルで新型機が出ておりますが、ハードの移行期において、ユーザーは新作ソフトを買い控える傾向があります。このため、端境期は販売の伸び悩みなどにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、デジタル比率向上によるゲーム販売期間の長期化、リピート販売の強化と柔軟な価格施策による販売数の増加を図っております。

 

⑨ モバイルゲーム市場について

スマートフォン等のモバイル端末の普及に伴い、ゲーム市場は拡大しておりますが、新技術への対応が遅れたときは、コンテンツの円滑な供給ができなくなる場合があります。また、課金システムによっては社会問題化し、行政による規制強化を招く恐れがあります。加えて、娯楽の分散化や消費ニーズの多様化などにより、ゲームユーザーが減少した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、ゲーム内課金を煽らないマネタイズにより、人気IPを活用したゲームの供給および新たなユーザー層の獲得に努めております。

 

(2) その他の事業に関するリスク

① アミューズメント施設事業

設置機種の人気の有無、娯楽の多様化、少子化問題、競争の激化や市場環境の変化などにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、テーマ型店舗やキャラクターグッズ販売など新業態の展開、VRコーナーなど新技術の導入に加え、キッズコーナーの設置やイベント開催により、新規ファン層の獲得と認知度向上に努めております。

 

② アミューズメント機器事業

パチスロ機の販売については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、一般財団法人保安通信協会の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されるため、この動向によっては売上が大きく左右される場合があります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、日本電動式遊技機工業協同組合への加盟により、規制当局の動向の把握と規制の変化に即応する体制の構築に努めております。

 

 

(3) 海外事業について

① 海外販売国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替その他の様々なカントリーリスクや人材の確保などにおいて、今後の事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、海外子会社や販社との情報共有を密にし、各国の市場動向把握と、現地のニーズに対応した販売展開を行っております。また、社内の専門チームによる、カントリーリスクに配慮したローカライズを実施しております。

 

② 海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による法令の解釈、規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、海外子会社や販社と連携し、法令の遵守に努めております。

 

③ フィジビリティー・スタディーで予見できない不測の事態が発生した場合には、経費の増加や海外投資を回収できず当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 財政状態および経営成績に関するリスク

① 当社の主要な事業である家庭用ゲームソフトは、ダウンロード版が伸長しているものの、総じて商品寿命が短いため、陳腐化が早く、棚卸資産の増加を招く恐れがあり、これらの処分により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当業界は年間を通じて市場環境が変化する場合があるため、四半期ごとに業績が大きく変動する蓋然性があります。また、売上高の減少や経営戦略の変更などにより当初予定していたキャッシュ・フローを生み出さない場合があり、次期以降の当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 開発技術のリスク

家庭用ゲーム機をはじめ、ゲーム機関連の商品は技術革新が速いことから対応の遅れによっては販売機会の損失など当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。

 

(6) 規制に関わるリスク

アミューズメント施設事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」およびその関連する法令の規制を受けておりますが、今後の法令の改正や制定によっては事業活動の範囲が狭くなったり、監督官庁の事前審査や検査等が厳しくなることも考えられます。この結果、当社の事業計画が阻害される恐れがあり、当該事業や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、警察や行政からの情報収集に努め、法令の遵守を徹底するとともに、安心かつ健全な店舗運営を図っております。

 

(7) 知的財産権に関するリスク

ゲームソフトやパチスロ機等の開発、販売においては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権が関係しております。したがいまして、当社が知的財産権の取得ができない場合には、ゲームソフトの開発または販売が困難となる蓋然性があります。また、第三者の所有する知的財産権を当社が侵害するリスクも否定できません。これらにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、当社が保有する権利保護に向けて、各国や地域での知的財産権の管理を行うほか、権利の侵害を防止するため社内での啓蒙活動に注力しております。

 

 

(8) 訴訟等に関するリスク

当社は、これまでに著作権侵害等で提訴した場合や他に訴訟を受けたことがあります。また、今後も事業領域の拡大などにより、製造物責任や労務、知的財産権等に関し、訴訟を受ける蓋然性があります。これにより、訴訟の内容および金額によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、従来からグローバルでの訴訟リスクの低減に向けて、様々な措置を講じております。

 

(9) 情報漏洩によるリスク

当社の想定を超えた技術による不正アクセスやコンピュータウイルス、その他予測不可能な事象などにより、ハードウェア、ソフトウェアおよびデータベース等に支障をきたす可能性があります。その結果、個人情報やゲーム開発情報など機密情報の漏洩が生じた場合には、損害賠償義務の発生や企業イメージの低下、ゲーム開発の中止等を招く恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、当社は、各国で整備が進められる個人情報等の情報保護法制への対応のほか、国内外の様々なサイバーリスクへの対策が不可欠と認識しており、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

当社は、セキュリティ監督委員会の指導、助言をもとに、継続して種々のセキュリティ強化策を講じており、システムの運営・監視や非常時対応の強化など所期の目的を達成しております。

今後も、継続的な課題抽出と早期対応が不可欠であると考えており、引き続きセキュリティ監督委員会の助言等を踏まえ、常時、体制の維持・強化に取り組んでまいります。

 

(10) 人材の育成と確保

ゲーム業界は相対的に従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社等に流出した場合は、事業活動に支障を来たす恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、当社は、最高人事責任者(CHO)を設置し、人事関連組織の整備により、経営層と従業員との意思疎通が直結する体制を構築することに加え、優秀な人材を採用し、育成、確保に努めるほか、時短勤務制度、有休取得推進制度の促進や事業所内保育所の設置などにより働きやすい環境作りに努めております。

 

(11) 不測の事態の発生によるリスク

台風、地震、津波等の自然災害や疾病、パンデミックの発生、蔓延等による社会不安、金融、資本市場等の混乱による経済危機、暴動、テロ等による政治の混迷など、国内外において不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、「危機管理規程」の整備や組織横断的なリスク管理体制の構築により、危機の未然防止や不測の事態が発生した場合における影響の極小化に努めております。

 

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